木村信司

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

木村 信司(きむら しんじ)は、宝塚歌劇団所属の演出家

1988年に演出助手として宝塚歌劇団に就職、1993年『扉のこちら』で演出家デビューした。愛称はキムシン。

演出家像

  • 『鳳凰伝』や『王家に捧ぐ歌』、『炎にくちづけを』など、オペラを素材とした作品が多い。またこれらの作品で作曲家:甲斐正人とよく組んでいる。
  • アメリカによるイラク戦争をふまえた『王家に捧ぐ歌』、北朝鮮の拉致問題をふまえた『スサノオ』など世界情勢への問題提起をふくんだ作品が多い。
  • 2006年には、モーニング娘。美勇伝主演ミュージカル「リボンの騎士」の脚本、演出を手がけた。
  • 2007年早春には江戸川乱歩原作、三島由紀夫の戯曲化や美輪明宏らの演出・出演で知られた『黒蜥蜴』の宝塚での初上演(潤色脚本・演出)を担当した。
  • 2009年には、安蘭けい主演にて、「The Musical AIDA -宝塚歌劇団王家に捧ぐ歌」より-」を上演した。

宝塚歌劇団での舞台作品

脚本・演出

大劇場作品

その他の作品

演出のみ

  • ショー『ESP!!』(2001年 月組 宝塚大劇場 主演:真琴つばさ)[1]
  • ミュージカル『誰がために鐘は鳴る』(2010年~2011年 宙組 宝塚大劇場、東京宝塚劇場 主演:大空祐飛[2]

新人公演の演出(1994年以降)

  • 1994年 雪組『雪之丞変化』
  • 1997年 月組『バロンの末裔』
  • 1999年 花組『夜明けの序曲』
  • 2001年 雪組『愛燃える』
  • 2002年 宙組『鳳凰伝』

サヨナラショーの演出

演出助手(1994年以降)

  • 1994年 月組『風と共に去りぬ』(演出:植田紳爾)、星組『ジャンプ・オリエント!』(村上信夫)、月組『たけくらべ』(柴田侑宏、バウホール)、雪組『風と共に去りぬ』(植田紳爾)、ロンドン公演『花扇抄』(酒井澄夫)、ロンドン公演『ミリオン・ドリームズ』(三木章雄)、花組『ハイパー・ステージ!』(石田昌也)、雪組『雪之丞変化』(柴田侑宏)、月組『夢の10セント銅貨』(中村暁、バウホール)、花組『たけくらべ』(柴田侑宏、バウホール)
  • 1995年 花組『メガ・ヴィジョン』(三木章雄)、花組『ダンディズム!』(岡田敬二)、花組『紅はこべ』(柴田侑宏、全国ツアー)、月組『ある日どこかで』(中村暁、バウホール)
  • 1996年 花組『ハイペリオン』(中村暁)、星組『パッション・ブルー』(三木章雄)
  • 1997年 月組『バロンの末裔』(正塚晴彦)、花組『サザンクロス・レビュー』(草野旦)
  • 1998年 宙組『バウ・ボヤージュ!』(中村暁、バウホール)
  • 1999年 花組『夜明けの序曲』(植田紳爾)、月組『ミリオン・ドリームズ』(三木章雄、全国ツアー)、星組『我が愛は山の彼方に』(谷正純)、月組『プロヴァンスの碧い空』(太田哲則、シアター・ドラマシティ)
  • 2000年 月組『LUNA』(小池修一郎)、花組『源氏物語 あさきゆめみし』(草野旦)
  • 2001年 雪組『愛 燃える』(酒井澄夫)、月組『プロヴァンスの碧い空』(太田哲則、ル・テアトル銀座)
  • 2002年 星組『ガラスの風景』(謝珠栄)、専科・雪組・花組『風と共に去りぬ』(植田紳爾、日生劇場特別公演)
  • 2004年 星組『花舞う長安』(酒井澄夫)

(2001年『プロヴァンスの碧い空』以降は演出補として)

宝塚歌劇団以外での舞台作品

脚本・演出

モーニング娘。の楽曲「わたしがついてる」に歌詞を提供している。)

エピソード

上記『リボンの騎士 ザ・ミュージカル』の千秋楽の終演直後、新宿コマ劇場の客席からの鳴り止まない喝采やコールを聞きながら興奮冷めやらぬモーニング娘。 らの演者を前にして演出家木村信司が語った言葉が同作品の付録映像としてDVDに収録されている。

「今、これで緞帳は下りた。まだお客様は帰ってない。 でも、リボンの騎士はどこに行ったかというと、もうどこにも無い。 形としてのリボンの騎士はもうどこにも無い。 もう一回繰り返そうとしてももう無いんだ。これが演劇。 でも、じゃあ完全になくなったか? といったらそうじゃない。 みんなの心の中に残ってる。それが演劇の感動なんです。 1回こういう感動を得たらば、お客様というのはずっと墓の中まで持っていく。 お爺さんお婆さんになるまで。 『あの舞台は良かった。未だに忘れられない。細かいことは忘れてても、本当に良かった』っていう これがみなさんが生きてきた舞台という空間なんです。 それを最後にみなさんにお伝えしたくて、この席を借りました。 みんなの心の中にも、いつまでもこの公演が心に残ること、 同じように、演出家から最後の言葉です 『僕も、みなさんのことは忘れません』 以上です。ありがとうございました。 」

参考文献

  • 宝塚歌劇団『宝塚歌劇90年史 すみれ花歳月を重ねて』ISBN 4484046016

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:宝塚歌劇団
  1. 酒井澄夫との共同演出
  2. 脚本は柴田侑宏