新日鐵住金君津製鐵所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年7月5日 (土) 15:14時点におけるウース (トーク)による版 (君津地区: link 大和田 (君津市))
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索
ファイル:Nippon Steel Kimitsu Works.jpg
君津製鐵所君津地区 航空写真
ファイル:NipponSteelKimitsu.jpg
君津製鐵所君津地区 正門

新日鐵住金君津製鐵所(しんにってつすみきんきみつせいてつしょ)は、千葉県君津市東京都板橋区にある新日鐵住金銑鋼一貫製鉄所である。君津地区と東京地区に分かれている。

概要

木更津港に面する千葉県君津市君津1番地に君津地区、東京都板橋区舟渡4丁目3番1号に東京地区がある。君津地区の敷地面積は約1173万東京ドーム約220個分)で、工場の大半は君津市内にあるが、一部が隣の木更津市に及んでいる。従業員数は約2600人。

高炉を3基有し、2006年度の年間粗鋼生産量は1,002万6,000トンで日本国内第2位であった。

生産品

新日鐵住金の主力製品5種のすべてを製造している。

設立までの背景

ファイル:NipponSteelKimitsu-Westquay.JPG
君津製鐵所君津地区 西岸壁

当時の八幡製鐵では、当初三重県四日市市に製鉄所を建設する方向で調整を進め、既に臨海部の埋め立て工事も進められていた。しかし、1959年に同社内に市場調査部が設置され、厚板の長期需要予測を取りまとめたところ、厚板の需要がそれまでの予想を大幅に上回り、四日市で想定していた規模の製鉄所では需要を賄えないことに加え、需要の大半が京浜工業地帯に集中していることが判明した(阪神工業地帯も需要が大幅に増えると想定されたが、そちらには既に堺製鐵所の建設が進められていた)。また一方で、四日市の埋め立て予定地の地盤が予想よりも悪く、当初計画通りの埋立地が確保できない可能性も浮上した。

これらの要因を受けて、同社では需要地の近隣に大規模な製鉄所を設けるべきとの判断から四日市の製鉄所建設計画を放棄し、急遽東京湾岸で製鉄所の建設候補地を探すことになり、検討の結果君津沖が選ばれたという[1]。なお、この時既に埋め立て工事が進められていた四日市市の水面は、後に四日市工業地帯に転用されている。

沿革

  • 1960年昭和35年)1月 - 木更津・君津地区の立地調査実施。
  • 1960年(昭和35年)11月 - 君津町(当時)への進出を正式発表。
  • 1961年(昭和36年)8月 - 君津漁協との間の補償協定に調印。
  • 1962年(昭和37年)1月 - 第一期埋立工事開始。
  • 1965年(昭和40年)2月 - 八幡製鐵君津製鐵所として発足。
  • 1965年(昭和40年)4月 - 操業開始。
  • 1968年(昭和43年)11月 - 第1高炉竣工、火入れ。銑鋼一貫体制が確立。
  • 1969年(昭和44年)10月 - 第2高炉竣工、火入れ。
  • 1970年(昭和45年)3月31日 - 新日本製鐵発足に伴い、同社の君津製鐵所となる。
  • 1971年(昭和46年)9月 - 第3高炉竣工、火入れ。
  • 1975年(昭和50年)10月 - 第2高炉吹き止め。第4高炉竣工、火入れ。
  • 1976年(昭和51年)2月 - 第1高炉吹き止め。
  • 1982年(昭和57年)2月 - 第3高炉吹き止め。第2高炉第二次操業開始、火入れ。
  • 1986年(昭和61年)4月17日 - 第3高炉第二次操業開始、火入れ。
  • 1988年(昭和63年)7月4日 - 第4高炉第二次操業開始、火入れ。
  • 1994年平成6年)11月7日 - 第2高炉第三次操業開始、火入れ。
  • 1995年(平成7年)9月 - 天皇来訪。
  • 2001年(平成13年)1月19日 - 第3高炉吹き止め。
  • 2001年(平成13年)5月19日 - 第3高炉第三次操業開始、火入れ。
  • 2003年(平成15年)2月9日 - 第4高炉吹き止め。
  • 2003年(平成15年)5月8日 - 第4高炉三次操業開始、火入れ。
  • 2007年(平成19年)7月1日 - 新日鐵化学君津製造所を統合、コークスの製造を開始。
  • 2009年(平成21年)11月9日 - 管理センターを君津市君津から木更津市築地へ移転。
  • 2012年(平成24年)10月1日 - 新日本製鐵が住友金属工業を吸収合併し、新日鐵住金君津製鐵所となる。
  • 2014年(平成26年)4月 - 東京製造所と統合[2]

所内報「きみつ」

年に10回、社員や関連協力会社、OBや周辺住民、他社などに配布している新聞である。発行部数は11500部。日本経済団体連合会社内広報センターの「推薦社内報」に選ばれたことがある。

アクセス

君津地区

最寄駅は君津駅であり、社宅の多い地域を経由して君津製鐵所までの路線バスが運行されている。特に、八重原地区(君津市)、大和田地区(君津市)、畑沢地区(木更津市)には関連会社などの社宅が多い。これらの社宅を連絡して運行される君津市内循環線は比較的本数が多いが、各社宅からの直行通勤バスも運行されている。2007年11月30日までは清見台団地(木更津市)からの通勤路線として清見製鐵線が運行されていたが利用者の減少により廃止された。

東京地区

脚注

  1. NHKスペシャル新・電子立国』第5巻「驚異の巨大システム」(相田洋著、日本放送出版協会、1996年)pp.187 - 190
  2. 製鉄所組織の統合・再編成について - 新日鐵住金株式会社 プレスリリース 2013年10月30日

関連項目

外部リンク

テンプレート:Coord テンプレート:新日鐵住金 テンプレート:日本の製鉄所