マノウォー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:Infobox Musician マノウォー(MANOWAR)は、アメリカのヘヴィメタルバンドである。 1980年、ブラック・サバスのツアーにパイロテクニクス及びベースの技師として同行していたジョーイ・ディマイオと、ツアーのオープニングアクトを務めていたSHAKIN' STREETのロス・ザ・ボスが意気投合し、翌1981年にエリック・アダムス、ドニー・ヘムズィクを加えて結成された。バンド名の由来は軍艦を意味する"Man of War"から。 真のヘヴィメタルを標榜する彼らは「偽メタルに死を」(Death to False Metal)を合言葉に掲げ、1982年に『バトル・ヒムズ』でデビュー。力強くドラマティックな楽曲にエリック・アダムスのシャウト、ジョーイ・ディマイオの"光速"ベースが特徴。 右手首を左手で掴んだまま頭上に掲げるポーズは「マノウォー・サイン」と呼ばれており、彼ら自身やファンの間だけではなく、他のバンド、ミュージシャンもライヴなどでポーズをとる事がある。
- 大音量バンド
音量に関して過去に『ギネス・ワールド・レコーズ』に記録されたことがあった(139dBを記録する)が、ギネス・ワールド・レコーズは2008年、「聴力障害を促す恐れがあるため」との理由で「世界で最もうるさいバンド」というカテゴリーを廃止した[1]。
目次
メンバー
- 現メンバー
- Vocal:エリック・アダムス(Eric Adams)(1981~)
- Guitar:カール・ローガン(Karl Logan)(1994~)
- Bass:ジョーイ・ディマイオ(Joey DeMaio)(1980~)
- Drum:ドニー・ヘムズィク(Donnie Hamzik)(1981~1982・2009〜)※サポートメンバー
- 旧メンバー
- Guitar:ロス・ザ・ボス(Ross "The Boss" Friedmann/Funicello)(1980~1988)
- 脱退後は、リムジンの運転手に就き、その後DICTATORSを再結成する。
- Guitar:デイヴィッド・シャンケル(David Shankle)(1989~1993)
- 脱退後は、クラシックギターの講師に就き、その後『DAVID SHANKLE GROUP(DSG)』を結成。2003年にアルバム『ASHES TO ASHES』を発表。
- Drum:ドニー・ヘムズィク(Donnie Hamzik)(1981~1982)
- 2009年にMANOWARのサポートドラムとして活動。
- Drum:ライノ(Kenny "Rhino" Earl Edwards)(1992~1995)
- ライオットのツアーメンバーとして2001年~2003年頃まで参加。2008年にMANOWARのサポートドラムとしてツアーに参加。2010年現在、HolyHell,MEGADETHのDavid Ellefson等と結成したAngels of Babylonで活動中。
- Drum:スコット・コロンバス(Scott Columbus)(1983~1990, 1996~2008)
- 2010年5月末までMANOWARの公式サイトにはメンバーとしてクレジットされていたが、本人がClassic Rock誌のインタビューで2008年4月よりバンドを脱退していたことを明かした。2011年4月5日に死去したことがMANOWARの公式サイトにて発表された。
メンバー全員が屈強な体つきをしており、曲名によく現れる「戦士(Warrior)」を体現している。
ディスコグラフィー
スタジオアルバム
- バトル・ヒムズ (邦題:地獄の鎮魂歌)-Battle Hymns (1982年、TOCP-8441、国内廃盤)
- 1stアルバム。ライヴでは必ず最初に演奏される「マノウォー」、「バトル・ヒムズ」を収録。
- 「Death Tone」、「Fast Taker」のようなロックンロール色の濃い曲も収録されており、バンドの持つ音楽的イメージがまだ確立されていなかった。
- イントゥ・グローリー・ライド(邦題:地獄の復讐) -Into Glory Ride (1983年、MVCG-141、VICP-60280、国内廃盤)
- 2ndアルバム。メガフォース・レコードへ移籍し、ドラマーもドニー・ヘムズィクからスコット・コロンバスに交代。中世の騎士のイメージを確立し、代表曲「March For Revenge」等を収録。
- ヘイル・トゥ・イングランド -Hail To England (1984年、MVCG-142、VICP-60281、国内廃盤)
- 3rdアルバム。ヨーロッパでのバンドの知名度を飛躍的に上げた作品。「Blood Of My Enemies」、「Kill With Power」等を収録。
- サイン・オブ・ザ・ハンマー -Sign Of The Hammer (1984年、VJCP-23238、国内廃盤)
- 4thアルバム。10レコードに移籍。シングルカットされた「All Men Play On 10」や「Sign Of The Hammer」、「Thor(The Powerhead)」、「Animals」、「Guyana(Cult Of The Damned)」等を収録。
- ファイティング・ザ・ワールド -Fighting The World (1987年、AMCY-3122、国内廃盤)
- アトランティック・レコードに移籍し発表された5thアルバム。「Fighting The World」、「Defender」、「Black Wind,Fire And Steel」、ポップではあるが佳曲の「Carry On」等、バラエティに富んだ楽曲が特徴。本作より、KISSのジャケットを手がけたことのあるケン・ケリーがアートワークを担当しており、屈強な戦士のイメージをより広く浸透させた。
- キングス・オブ・メタル -Kings Of Metal (1988年、22P2-2788、AMCY-702、AMCY-3124、国内廃盤)
- 6thアルバム。「Wheels Of Fire」、「The Crown And The Ring(Lament Of The Kings)」、「Hail And Kill」など荘厳で勇壮なイメージの楽曲が並ぶ。
- 勝利の鋼鉄 -Triumph Of Steel (1992年、AMCY-474、AMCY-3123、国内廃盤)
- ギタリストがロス・ザ・ボスからデヴィッド・シャンクル、ドラマーがスコットからライノに交代して発表された7thアルバム。20分強の大作「Achilles,Agony And Ecstacy In Eight Parts」、「Metal Warrior」、「Ride The Dragon」、「The Power Of Thy Sword」などライヴでの定番曲が並んでいる。
- 翌1993年に初の来日公演を行った。
- ラウダー・ザン・ヘル -Louder Than Hell (1996年、MVCG-191)
- 8thアルバム。ゲフィン・レコードに移籍し、ギタリストがカール・ローガンに交代。ドラムにスコットが復帰。
- 「Return Of The Warlord」、「Outlaw」、「Power」等が収録されている。
- ウォーリアーズ・オブ・ザ・ワールド -Warriors Of The World (2002年、ZACB-1058)
- ニュークリア・ブラストに移籍しての9thアルバム。「Call To Arms」「Warriors Of The World United」、「Hand Of Doom」「Fight Until We Die」等の曲が収録されている。
- ゴッズ・オブ・ウォー -Gods Of War (2007年、 MICP-10652)
- 10thアルバム。バンド初のコンセプト・アルバムである。メタルケース付きの初回限定版が発売された。
- バトル・ヒムズ MMXI -Battle Hymns MMXI (2010年)
- 1982年発表のデビューアルバムBattle Hymnsのセルフカバーアルバム。
- 「レコーディング技術がMANOWARの重厚な音に、ようやく追いついたので(ジョーイ・ディマイオ)」リリースされる事となった。スコットが脱退後、サポートドラマーとして活動していたドニー・ヘムズィクがレコーディングに参加しており、ギターのカール・ローガン以外は当時のオリジナルメンバーとなる(オリジナルメンバーのギタリストは、ロス・ザ・ボス)。構成が全て1982年版のアルバムと同じではあるが、全曲キーが1音下がっており、多少のアレンジが加えられている。
- MMXIは2011年の意。
- ザ・ロード・オブ・スティール -The Lord Of Steel (2012年)
- 11thアルバム。2012年6月に英国、ドイツで雑誌Metal Hammerの特別付録として先行限定発売。同年9月に正式リリース。
- キングス・オブ・メタル MMXIV -Kings Of Metal MMXIV(2014年)
- 1988年発売のKings Of Metal のセルフカバー作品。カール、ドニーを擁した現在の布陣でのリレコーディング及びアレンジがされている。
- 曲順はオリジナル盤より大幅変更されており、「Preasure slave」が収録曲から外されている。
ベストアルバム
- ヘル・オブ・スティール -The Hell of Steel: Best of Manowar (1994年、国内廃盤)
- アンソロジー -Anthology (1997年、国内未発表)
- キングダム・オブ・スティール -The Kingdom of Steel: The Very Best of Manowar (国内未発表)
- スティール・ウォーリアーズ -Steel Warriors (国内未発表)
ライヴアルバム
- カリッジ -Courage (Live) (1996年)
- ヘル・オン・ウィールズ・ライヴ -Hell on Wheels (Live) (1998年、VICP-60278/9)
- ヘル・オン・ステージ・ライヴ -Hell on Stage (Live) (1999年、VICP-60674/5)
- ライヴ・イン・スペイン -Live In Spain (1999年、EP、国内未発表)
- ライヴ・イン・ジャーマニー -Live In Germany (1999年、EP、国内未発表)
- ライヴ・イン・ポルトガル -Live In Portugal (1999年、EP、国内未発表)
- ライヴ・イン・フランス -Live In France (1999年、EP、国内未発表)
- ゴッズ・オブ・ウォー・ライブ -Gods Of War Live (2007年、MICP-90029/30)
シングル、EP
- ディフェンダー -Defender (1983年、12インチ)
- オール・メン・プレイ・オン・テン -All Men Play On Ten (1984年)
- ブロー・ユア・スピーカー -Blow Your Speakers (1987年)
- ハート・オブ・スティール(ドイツ語版) -Herz Aus Stahl (1988年)
- メタル・ウォーリアーズ -Metal Warriors (1992年)
- ディフェンダー -Defender (1994年)
- カリッジ -Courage (1996年)
- リターン・オブ・ザ・ウォーロード -Return Of The Warlord (1996年)
- ナンバー・ワン -Number One (1996年)
- ウォーリアーズ・オブ・ザ・ワールド -Warriors Of The World United (Part I & II) (2002年、国内未発表)
- アン・アメリカン・トリロジー -An American Trilogy (2002年、国内未発表)
- ザ・ドーン・オブ・バトル -The Dawn Of Battle (2002年、国内未発表)
- キング・オブ・キングス -King of Kings (2005年、国内未発表)
- ザ・サンズ・オブ・オーディン -The sons of Odin (2006年、国内未発表)
- サンダー・イン・ザ・スカイ -Thunder In The Sky (2009年、国内未発表)
- 16ヶ国語で歌われた、FATHER(お父さん)収録。
ビデオ、DVD
- シークレット・オブ・スティール -Secrets of Steel (1993年、VHS)
- ヘル・オン・アース パートI -Hell on Earth Part I (2000年、VHS、VIVP-77)
- ヘル・オン・アース パートI -Hell on Earth Part I (2001年、DVD、国内未発表)
- ファイヤー・アンド・ブラッド -Fire And Blood (Hell on Earth Part II + Blood in Blazil) (2002年、DVD、国内未発表)
- ヘル・オン・アース パートIII -Hell on Earth Part III (2003年、DVD、国内未発表)
- ヘル・オン・アース パートIV -Hell on Earth Part IV (2005年、DVD、国内未発表)
- ディ・ザ・アース・ショック:ザ・アブソリュート・パワー -Day the Earth Shook: The Absolute Power (2006年、DVD、国内未発表)
- マジック・サークル・フェスティバル VOL1 - MAGIC CIRCLE FESTIVAL VOLUME 1 (2007年、DVD、国内未発表)
- マジック・サークル・フェスティバル VOL2 - MAGIC CIRCLE FESTIVAL VOLUME 2 (2008年、DVD、国内未発表)
- ヘル・オン・アース パートV -Hell on Earth Part V (2009年、DVD、国内未発表)
MANOWARをリスペクトしているミュージシャン・著名人
- アーチ・エネミー
- ミニアルバム『デッド・アイズ・シー・ノー・フューチャー』で『キル・ウィズ・パワー』をカヴァー。
- アナル・カント
- アルバム『嫌われ者にゃワケがある』で『グローブス・オブ・メタル』をカヴァー。
- アングラ
- メンバーのアンドレ・マトス(脱退)、ラファエル・ビッテンコートが大ファン。初期のライヴでは『マノウォー』のカヴァーをレパートリーとしていた。
- エッジ・オブ・サニティ
- アルバム『スペクトラル・ソロウズ』で『ブラッド・オブ・マイ・エネミーズ』をカヴァー。
- オーヴァーキル
- アルバム『Coverkill』(1999年)で『Death Tone』をカヴァー。
- ガンマ・レイ
- 1993年にドイツを共にツアーした経験があり、マノウォーに敬意を捧げた楽曲『ヘヴィ・メタル・ユニヴァース』を発表。
- サンダーボルト
- ロス・ザ・ボスとのコラボレーションアルバム『サンダーボス』を発表。
- ドリーム・イーヴル
- アルバム『ザ・ブック・オブ・ヘヴィ・メタル』のタイトルトラックはマノウォーを意識した曲。同時にマノウォーのオマージュ要素の強い同曲のPVも発表。
- ハンマーフォール
- マノウォーに強い影響を受けているバンド。
- パラゴン
- アルバム『リヴェンジ』で「ゴッド・メイド・ヘヴィメタル」をカヴァー。
- マジェスティ
- アルバム『レイン・イン・グローリー』で『バトル・ヒムズ』をカヴァー。
- シークレット・スフィア
- アルバム『セイント・オヴ・ヒューマン・ディザイアー』で『キングス・オブ・メタル』をカヴァー。
- ラプソディー・オブ・ファイア
- 2006年発表のアルバム、『トライアンフ・オア・アゴニー』にジョーイがエクシクルーシブ・プロデューサーとして名を連ねる。当時バンド自体もマネージメントをジョーイの事務所に移籍していた。
- Die Apokalyptischen Reiter
- アルバム『ハブ・ア・ナイス・トリップ』で『マスター・オブ・ザ・ウインド』をカヴァー。
- さかもとえいぞう
- デビューソロアルバム『メタル一直線』で「メタル・デイズ」をカヴァー。
- 沢田泰司(TAIJI)
- 『Jealousy』制作時にTAIJI所有のマノウォーのアルバムをもとにエンジニアが決定された。
- 田丸浩史
- 自身の漫画で「奥様はマノウォー」「入る&出る」「ポップコーンみたいな服」「尿意デマイオ」等、マノウォーネタを描くことが多い。
- カヴァルナ
- ブルガリア北東部の町。マノウォーはここで5時間におよぶコンサートを行い、ヘヴィ・メタル・コンサートの最長時間記録を打ち立てた。
- ナノウォー (NANOWAR)
- イタリア出身のマノウォーのパロディバンド。
- 益荒男(MASURAO)
- 東京で活動するマノウォーのコピーバンド
- Dee Lee(2Bullet)
- 東京で活動するマノウォーに影響を受けたゲリラバンド。