西岡恭蔵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年6月23日 (月) 16:11時点におけるJuqipedia (トーク)による版 (外部リンク)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox Musician

西岡 恭蔵(にしおか きょうぞう、1948年(昭和23年)5月7日 - 1999年(平成11年)4月3日)は、日本ミュージシャンシンガーソングライター、作詞家、作曲家。愛称は「ゾウさん」。妻のKURO作詞家

来歴・人物

三重県志摩郡志摩町(現志摩市布施田出身。伊勢高等学校近畿大学卒。

1960年代に、フォーク喫茶、「ディラン」の雇われマスターとなる。その店に集まっていた常連客たちと、ゆるやかなユニットのようなフォークグループ「ザ・ディラン」を結成する。1971年(昭和46年)頃に、ソロシンガーを目指し、同グループを脱退。しかし、彼が抜けた後の「ザ・ディランII」(ザ・ディランはメンバーを固定しないグループで人の入れ替わりが激しかったが、最終的に残った大塚まさじ永井洋がザ・ディランIIを名乗る)のデビューアルバム『きのうの思い出にわかれをつげるんだもの』のレコーディングには参加する(同アルバムの楽曲の大半は、ザ・ディランのレパートリーであった)。象狂象のペンネームで作った「プカプカ」は、彼にとっても、ザ・ディランIIにとっても、大塚にとっても代表曲となる。

1972年(昭和47年)に、吉野金次プロデュースのアルバム『ディランにて』でソロデビュー。12月10日、ジャズシンガーの安田南に捧げられた曲「プカプカ」発売。

1974年(昭和49年)に、あがた森魚はちみつぱい細野晴臣が参加したセカンドアルバム『街行き村行き』を発表。ここから細野との本格的交流が始まる。

また、同年にザ・ディランを再現しようとの試みに、佐藤博長田タコヤキ和承石田長生ら、ザ・ディランと関わりのあったメンバーと参加し、アルバム『悲しみの街』(ベルウッド)を発表。ただし、この試みはザ・ディランと言う流動的なグループの再現とはほど遠かったと、後に、参加したメンバーは振り返っている。また、このアルバムに収録された曲の多くは、アルバムの収録時間に合わせた短縮版である(原曲は、未発表ライブを収録した、いくつかのライブ盤で確認できる)。

1975年(昭和50年)にサードアルバム『ろっか・ばい・まい・べいびい』を発表。鈴木茂ハックルバックが参加。細野のプロデュースだが、実質は共作(細野の「トロピカル三部作」と対をなす、あるいは補完する作品と考えられる)。

1976年(昭和51年)の『南米旅行』では、中川イサト作曲の「今日はまるで日曜日」を再びカバー(ソー・バッド・レビューが参加)。バンド、カリブの嵐を率いてのライブ盤『‘77.9.9.京都"磔磔"』を1977年に発表(1998年に、完全版発表)。ソロ作品としては、1979年(昭和54年)に『ヨー・ソロ』、1981年(昭和56年)に『NEW YORK TO JAMAICA』を発表。

1980年代に入ってからは、KYOZO&BUN(岡嶋善文とのグループ)名義で、『パラダイス・カフェ』(1983年(昭和58年))、『トラベリン・バンド』(1986年)の2作品を発表。

1990年(平成2年)、再びソロ戻って『START』を発表。1997年(平成9年)、結果的には遺作となる『Farewell Song』を発表。

1999年(平成11年)4月3日、妻KUROの三回忌前日に自宅で首を吊って自殺。享年50。

2002年(平成14年)、彼が生前に選曲していたというベストアルバム『Glory Hallelujah』が発売。

エピソード

  • 2008年(平成20年)2月10日に、恭蔵の同級生らで結成された「プカプカ志摩」主催で、「第1回 恭蔵とKUROの音楽まつり2008(実行委員長浜口三代和)」が出身地の志摩市志摩町で開催された。出演者は加川良、大塚まさじ、金子マリ森園勝敏、モーガンズバー、BUN、安宅浩司、ジャンピングバンビ。第2回は2009年(平成21年)1月24日から25日にかけて行われた。

作品

スタジオアルバム
  1. 『ディランにて』(1972年7月25日)
  2. 『街行き村行き』(1974年1月25日)
  3. 『悲しみの街』 (「オリジナル・ザ・ディラン」名義、1974年4月25日)
  4. 『ろっかばいまいべいびぃ』(1975年)
  5. 『南米旅行』(1977年)
  6. 『Yoh-Sollo』(1979年10月25日)
  7. 『NEW YORK TO JAMAICA』
  8. 『パラダイス・カフェ』 (「Kyozo&Bun」名義)
  9. 『トラベリン・バンド』 (「Kyozo&Bun」名義)
  10. 『START』(1993年4月21日)
  11. 『Farewell Song』(1997年12月10日)
ライブアルバム
  1. 『'77.9.9京都「磔磔」』(「西岡恭蔵とカリブの嵐」名義)
  2. 『ハーフムーンにラブコラージュ』 (「西岡恭蔵・大塚まさじ」名義、1991年6月)
  3. 『X’mas Song-At.Banana Hall 1997』(2003年11月26日)
コンピレーション・アルバム
  1. 『Glory Hallelujah 西岡恭蔵自選ベスト』(2002年10月23日)
  2. 『西岡恭蔵 BOX』(2004年1月10日)
  3. 『ゴールデン☆ベスト』(2012年11月28日)

提供楽曲

  • 内田有紀
    • 「愛について語りましょうよ」(作曲)
  • 大上留利子
    • 「あなたに恋して」
    • 「あの娘のBYE-BYE BLUES」
    • 「タイフーン・レディ」
    • 「ミシシッピー・リヴァー」
    • 「SEXY WOMAN」(以上、作曲。作詞はKURO)
  • クリス
    • 「クリスのララバイ」
    • 「クリスはサーティーン」(以上、作曲。作詞はKURO)
  • 惣領泰則
    • 「アイ・クドント・セイ・バイ・トゥヒム」(KUROと共同作詞)
  • 中村雅俊
    • 「島の子守唄」(作曲。作詞はKURO)
  • 松田優作
    • 「うわきのブルース」(作曲。作詞はKURO)
  • 松平健
    • 「外人部隊」
    • 「ハッピーエイプリルレイン」(以上、作曲。作詞はKURO)
  • 矢沢永吉
    • 「RUN&RUN」
    • 「あ・い・つ」
    • 「あの娘と暮らせない」
    • 「今・揺れる・おまえ」
    • 瞬間を二人
    • 浮気な午後の雨
    • 「エイシャン・シー」
    • 「昨日を忘れて」
    • 「気ままなロックンローラー」
    • 「黒く塗りつぶせ」
    • 「棕櫚の影に」
    • 「東京ナイト」
    • 「逃亡者」
    • 「トラベリン・バス」
    • 「夏のフォトグラフ」
    • 苦い雨
    • 「バーボン人生」
    • 「古いラブレター」
    • 「真赤なフィアット」
    • 「奴はデビル」
    • 「ライフ・イズ・ヴェイン」
    • 「DAY A」
    • 「DIAMOND MOON」
    • 「DON’T WANNA STOP」
    • 「FADE AWAY」
    • 「GOOD LUCK」
    • 「LONG DISTANCE CALL」
    • 「O OH」
    • 「SAIL AWAY」
    • 「YOKOHAMA FOGGY NIGHT」(以上、作詞)
  • 山下久美子
    • 「恋のミッドナイト・D.J.」
    • 「西域みやげ」
    • 「ジプシー・ソング」
    • 「ヘイ・ダーリン」
    • 「ロマンティックが好き」
    • 「SWEET SLOW SAMBA」(以上、作曲。作詞はKURO)

『プカプカ』をカヴァーした人びと

外部リンク