シグー
テンプレート:Pathnav シグーは、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場する、モビルスーツ(MS)に分類される架空の兵器の一機種。
本項では、メディアミックス作品に登場する派生機についても解説する。
目次
機体解説
テンプレート:機動兵器 ジンの後継機としてプラントのマイウス市に所在する兵器設計局ハインライン局が設計・開発した、ザフトの指揮官級向けMS。
ジンの高い汎用性を受け継ぎつつ、スラスターの増設、高出力化により宇宙空間での機動性、運動性が大幅に向上している。機体の基本色はシルバーグレー。
本機の公式デビューはC.E.(コズミック・イラ)70年3月15日。オペレーション・ウロボロス採決と同時に、プロパガンダ的な意味を込め全世界に発表された。また、同時期にディン、バクゥ、グーンなどの複数の新機種も公開されている。中でもディンはハインライン局設計ということもあり、構造、形状に多くの類似点を持つ兄弟と言うべき機体である。
ほどなくしてクルーゼ隊が強奪したGAT-Xシリーズの技術を盛り込んだゲイツが代わって上位機種の座についたため旧式機に属されるようになったが、それからの一時期にはジンと共にPS装甲化させたボディへの改良を含むミーティア改を結合しての準最新鋭戦略兵器へと急変した事もあった[1]。
続編『SEED DESTINY』ではザフト軍が新たにザクウォーリアやグフイグナイテッドなどのニューミレニアムシリーズ系機種を開発していったため、旧式となった本機はジンと共に姿を消していった。
武装
- MMI-M7S 76mm重突撃機銃
- ジンが持つMMI-M8A3の改良型[2]。系列機のディンにも採用された装備で、装填されるAPSV弾も強化されたものを使用している。『SEED』第3話では唯一マガジンを交換する姿が見られたが、予備のものをどこにマウントしていたのかは不明。
- MA-M4 重斬刀
- ジンが持つMA-M3とほぼ同一だが、相違として細い動力パイプ状のパーツがオミットされ、刀身根元には軽量化と思われる穴が穿たれているなど、引き算的な措置が施されている。未使用時のマウント部位は背部スラスター側面。
- M7070 28mmバルカンシステム内装防盾
- シールド裏面にバルカン砲を設置したマルチプル・ウェポン。連合軍MAとの一対多の状況に対応すべく装備されたもので、後のX13Aプロヴィデンスが持つMA-MV05A 複合兵装内装防盾システムのベースになった。
- 一方、対ビームシールドのようなコーティングの有無について明言されたことは一切無いが、『SEED』および『SEED HDリマスター』第3期オープニング上ではビームサーベルや15.78m対艦刀 シュベルトゲベールを防いでいるカットがある。
- その他
- 『SEED』第42話で見られたM68キャットゥス無反動砲や、同45話のクルーゼ機が所持したゲイツ用ビームライフルなど。ミーティア改に関連するものは以下から参照のこと。
特殊装備
- モビルスーツ支援空中機動飛翔体「グゥル」
- 強襲用屍衣「アサルトシュラウド」
- ミーティア改
- フェイズシフト装甲
- ビーム兵器
専用機
ジスト専用シグー
『FRAME ASTRAYS』に登場。ジストの行動を監視するための改良が施されており、機体色も視覚的に目立つ真紅に染め上げられている。オリジナルから改良を加えた専用アサルトシュラウドを装備する事もあり、両肩には姿勢制御翼としての機能も持つシールド兼用の大型バインダーを備え、裏側にはガトリング砲を内蔵している。
クルーゼ専用シグー
『機動戦士ガンダムSEED Re:』に登場。バックパックにプロヴィデンスやドレッドノートのドラグーン・プラットフォームの試作型を思わせるデザインの外部ユニットを装備している。ガンバレルと同様に有線で描画されており、無線コントロールが可能かは不明。またシールドはゲイツのシールドと同型のものを装備している。
バリエーション
シグーアサルト
『FRAME ASTRAYS』などに登場。火力、推力、装甲の強化を目的に開発された追加オプションユニットを装備したシグーで、形式番号は ZGMF-515AS で表される。作品発表順ではアニメ本篇『SEED DESTINY』よりも後発だったが、時系列では『SEED』時点の第1世代ザフト製MSに対する性能向上案の1つで、機種ごとにアサルトシュラウドが特注されており、シグーの場合は背部ウイング及び脚部用スラスターが増設され、胸部、肩部、前腕部に装甲が追加される。劇中に登場したのはカスタマイズ版のアサルトシュラウドを装備したジスト機のみで、ザフト正規軍のオリジナル仕様は設定上のみとなっている。
シグーディープアームズ
テンプレート:機動兵器 『SEED MSV』に分類される機体。
地球連合軍より奪取したGAT-Xシリーズから入手した小型ビーム兵器の技術検証のため、試作型熱エネルギー兵器を搭載した実験機。ディープアームズとは、「Directional Energy Emission exPerimental Arms=指向性エネルギー放射兵器試験機」の意。
特徴的なシルエットを構成する両肩のビーム砲は10メートル近い全長を持ち、連合製のビーム兵器に比べかなり大型となっている。これは信頼性を重視して小型化されていない在来品の発振ユニットと冷却システムを用いたからである。並行して背部には冷却剤タンクを内蔵したコンポーネント・バックパックが装備され、両側からビーム砲に繋がるケーブルを介して砲身の冷却を行う。試射では充分な出力を得られたものの、冷却システム自体はまだ不完全であり、タンクの冷却ガスが尽きた場合、安全装置が作動し発砲不能となる。また、過熱による砲身融解の恐れも払拭し切れておらず、長時間連射性能も低い。砲尾には高機動用スラスターが付いているが、スラスター自体が独立して可動するようになっているため、推力指向方向が砲の仰角に拘束されることはない。左腰にマウントされているレーザー重斬刀はストライクとの交戦データを基に開発されたもの。
データ収集用として4機が製造され、実験で得られたデータはゲイツ以降のザフト製量産機の小型ビーム兵器に大きな影響を与えた。「スペシャルエディション完結編 鳴動の宇宙」およびHDリマスター「PHASE-50 終わらない明日へ」にはヤキン・ドゥーエに突入しようとするジャスティスらの戦闘シーンに登場し撃墜されている。
- シホ・ハーネンフース機
- 左肩に「ホウセンカ」のパーソナルマークをペイントしている。『SEED』時代では、地上部隊での極秘データ回収戦闘[3]、コロニー・メンデル宙域戦闘、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦などで愛機として運用されたが、アニメ本篇で姿が描かれる事はなかった。『SEED MSV戦記』では515シグーの重突撃機銃も携行して最終決戦に臨んでいる。またこの時レナ・メイリアの駆るバスターダガーと交戦している。
- 『SEED DESTINY』に至る空白の期間を描いたときた洸一『DESTINY ASTRAY』第2巻では、ユニウス条約締結直前の南米軍を支援し、ディープアームズとしての最後の出撃と思しき姿が見られた。
脚注
- ↑ 「SEED MSV 『Vol.16 ヴェルヌ35A/MPFM 多目的飛行モジュール』」。
- ↑ 『週刊ガンダム・ファクトファイル』 79号、29項より。
- ↑ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINYモデル vol.2 DESTINY MSV編』 ホビージャパンMOOK、204頁など。映像はセルDVD 「機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER 『MOBILE SUIT GUNDAM SEED ASTRAY RED FRAME』」(レンタル版未収録)参照。