デスラー戦闘空母

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デスラー戦闘空母(デスラーせんとうくうぼ)は、『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』、『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場する架空の宇宙空母。デザイン担当は板橋克己

従来の戦闘空母との相違点

宇宙戦艦ヤマト2』において、ヤマトとの戦闘でデスラー艦を失ったデスラー総統が、臨時の旗艦として使用する。

艦橋が従来の戦闘空母とは異なり、ドメラーズII世に酷似している[1]

艦橋後部の砲塔が2基から1基となる[2]。艦後部側面には従来通り砲塔があるが[3]、砲身がなくなり、形状も異なっている[4]インテーク状の構造物の中には、大型ミサイル発射口が2つある[5]など、兵装が異なる。甲板横側に設置されているアングルドデッキは小ぶりなデザインになった[6]。全長は260m[7]。これらの点から同系列の発展型とも考えられる[8]

艦の大型化により甲板の幅が広くなったため、甲板中央部分にデスラー砲を格納するスペースを設けた。このため、甲板の砲塔類が収納された状態でもデスラー砲を発射可能[9]。デスラー砲は発射する際、艦内から外部に迫り出し、砲下部に付いているレールに沿って前方に移動する。

暗黒星団帝国の護衛艦程度の規模の艦艇を撃沈する、新型のデスラー機雷の投射装置が甲板両脇に装備されている。

『新たなる旅立ち』の劇中で、暗黒星団帝国軍の攻撃を受け被弾した際の艦内部の描写と損傷の報告により、DMB-87型急降下爆撃機の搭載と瞬間物質移送器の装備が確認されている。

諸元

[ ]内は、書籍、ゲームソフト、プラモデル、コミカライズなどの設定。詳細は、脚注・出典を参照の事。空欄は不明な項目である。

全長 260m [200m][10]
全幅 [32m][10]
全高
基準排水量 [42000t[10]
乗員
武装
  • 3連装主砲×3基
  • 2連装ガミラス式無砲身レーザー砲塔×4基
  • 多連装フェザー砲塔×2基
  • 多連装ミサイル砲塔×2基
  • 2連装デスラー機雷投射VLS×4基
  • ミサイル発射管×12門(艦首×6門、艦尾×6門)
  • 大型ミサイル発射管×4門
  • [魚雷ミサイル×12門][10]
  • [3連装ビーム砲塔×14基][10]
  • [6連装対空パルスレーザー×2基][10]
  • [5連装ミサイル×2基][10]
  • 瞬間物質移送器
  • デスラー砲×1門
搭載機 DMB-87型急降下爆撃機

劇中での登場

宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち

デスラー残存艦隊旗艦として登場。この時は『宇宙戦艦ヤマト』の戦闘空母のように赤く塗装していたが、中心線は書かれていない。

新天地を探す旅に発つ前に最後の別れを告げるべく、ガミラス本星に向かうが、そこでガミラシウムの採取をしていた暗黒星団帝国の作業船団と護衛艦隊に遭遇。他の艦と共に砲撃を加え、これを殲滅する。

ガミラス本星の消滅により、暴走、ワープしたイスカンダルに、デスラー艦隊もワープして追いついた直後に暗黒星団帝国マゼラン方面第一艦隊からの報復攻撃を受け、多大な被害を受ける。本艦よりデスラー機雷を打ち上げて、一時的に敵艦隊の進撃を遅らせた。イスカンダルのマザータウンの海に着水するデスラー艦隊だが、暗黒星団帝国マゼラン方面第一艦隊旗艦プレアデス艦載のイモ虫型戦闘機円盤型戦闘機の攻撃にさらされる。自衛するだけで精一杯だったが、スターシャ古代守がいる宮殿まで攻撃にさらされてしまったため、デスラーは宮殿を守るよう命令し、徹底抗戦した。

マゼラン方面軍総司令官メルダーズが乗艦した自動惑星ゴルバがイスカンダルに現れた際に、デスラー砲を発射するがゴルバの装甲には通用しなかった。メルダーズは見せしめとしてゴルバの主砲をイスカンダルに発射し、その光景に耐えられなくなったデスラーは最後の手段として、第二波発射準備をしているゴルバの主砲口へ本艦を突っ込ませ、古代に自分ごとヤマトの波動砲を撃つよう促す。このやりとりを見かねたスターシャはイスカンダリウムを暗黒星団帝国に差し出すことを提案したため、ゴルバは本艦を切り離し、イスカンダルへ降下するが、スターシャによってイスカンダルは自爆し、ゴルバは巻き添えを喰らって消滅した。

宇宙戦艦ヤマトIII

第16話のデスラーの回想と、ガルマン・ガミラス本星の軍事パレードに登場している。

『新たなる旅立ち』での戦闘後、デスラーは新たな残存艦隊を率いて銀河系中央部に向かった。この時、他の艦艇はガミラス標準の緑色であるのに対して、本艦のみ、後のガルマン・ガミラス標準色となる濃緑に塗装が変更されており、航空甲板は灰色、艦橋先端部がオレンジで艦首部は黒となっている[11]。また、艦内の戦闘員の服装も茶色ではなく、ガルマン・ガミラス軍の標準となる紫系統であった。

ボラー連邦に占領されていたガルマン星(ガミラス人の祖先であるガルマン民族が住む星)を発見し、ボラー軍に攻撃を加え星を解放。この地にガルマン・ガミラス帝国を建国。ガルマン・ガミラス帝国建設の礎となった殊勲艦であった。

ゲームでの登場

PS用ゲームソフト『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の終盤には、デスラー艦のデスラー砲の部分のみを仮搭載した戦闘空母(緑色)が登場する。デスラーはこの艦で、ズォーダー大帝に見捨てられて逃走するサーベラーゲーニッツらの乗った脱出艦を待ち伏せてデスラー砲で吹き飛ばし、彼らへの「借り」を返した。

PS2用ゲームソフト『宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶』では、宮武一貴によってリデザインされた。艦型が「改ドメル戦闘空母級」とされ、「デスラー・ガミラシア」という艦名が付けられている。艦橋後方にある砲塔は、通常の戦闘空母と同じ2基となっており、甲板内に収納している無砲身レーザー砲塔が2連装から3連装に変更されるなど、武装が変更されている。艦後部には艦載機帰還口が設定され、インテーク状の構造物の中が異なる形状になったりと、細かいディテールも異なっている。デスラー砲の露出方法もアニメ版と違っており、左右甲板が双胴体ごとそれぞれ外向きに傾き、中からアニメ版より大型のデスラー砲がせり上がるようになっている。なお、このゲームの本艦には艦載機が配備されていない。

甲板が長くなり、スマートさが強調されるデザインとなった。艦橋部分は設定上、分離可能とされており非常時はこの部分のみで脱出できる。

商品化

  • バンダイプラモデルシリーズ「宇宙戦艦ヤマト メカコレクション」に、「ガミラス帝国軍 デスラー戦闘空母」の名前で商品化。シリーズ番号はNo.16。
  • 上記とは別に同じバンダイでプラモデルが大小2サイズ発売されていた。大サイズは甲板回転のギミックが再現されている唯一の商品であり、DMB-87型急降下爆撃機が3機付属。小サイズは大サイズより1周りほど小さく、甲板は回転せず戦闘状態を再現、DMF-3型戦闘機、DMB-87型急降下爆撃機、DMT-97艦上攻撃機が各1機ずつ付属。
  • ザッカピー・エイ・ピーのブラインド商品宇宙戦艦ヤマト メカニカルコレクションPART.4」に、『新たなる旅立ち』塗装の攻撃モードがラインナップ。シークレットは本艦の飛行甲板モード。塗装済完成品。

脚注・出典

  1. 準備稿では、艦橋周りのデザインは通常の戦闘空母と同じだった。
  2. 準備稿では、従来通り艦橋後方の砲塔が2基で、艦橋基部に対空フェザー砲が装備されていた。
  3. 劇中では発砲シーンは皆無なので砲塔を撤去した後に被せたカバーか、砲ではなくミサイルランチャーの可能性もある。
  4. 準備稿では従来と同じく砲身付きであり、砲塔の形状も同じ。
  5. 劇中では未使用。
  6. 劇中では両舷、または左舷に付くなど作画が一定していないが、模型やゲームでは左舷に付いているため、これが公式設定であるとの推定が成立する。
  7. 「宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち大百科」(ケイブンシャ、1979年)のp95より。
  8. 本艦は『宇宙戦艦ヤマト2』で損傷した戦闘空母(バンデベル将軍艦)を修復の折にデスラー砲他の旗艦装備を施した改装艦であるとの説もある。当時のガミラス帝国の事情から新造艦の建造は明らかに無理で、航行中に艦隊内で改装を行い調達した可能性が最も高いためである。また、主砲を削減しているのもデスラー砲他、新装備搭載の代償である可能性もある。
  9. 『新たなる旅立ち』で戦闘モードになる際、デスラー砲を収納する区画があるにもかかわらず、戦闘空母と同じように甲板全体を二分割して反転する描写がある。
  10. 10.0 10.1 10.2 10.3 10.4 10.5 10.6 バンダイのプラモデルシリーズ「宇宙戦艦ヤマト メカコレクション」でのデータ。
  11. この塗り分けは後に建造された新型戦闘空母(ガルマン・ガミラス戦闘空母)に受け継がれた。

関連項目

テンプレート:宇宙戦艦ヤマト