シュリ
テンプレート:Infobox テンプレート:Infobox Film 『シュリ』は、1999年の韓国映画。
韓国に潜入した北朝鮮工作員と、韓国諜報部員との悲恋を描く。男と女の悲恋を美しく描く演出と、北朝鮮工作員と韓国諜報部員との壮絶なアクションシーンが高く評価された。
韓国では1999年2月13日に公開され、韓国国内で観客動員数621万人(うちソウルで244万人)という当時の記録を樹立、一種の社会現象を巻き起こした。日本では、1999年秋の東京国際映画祭にて主演のハン・ソッキュの舞台挨拶つきで渋谷公会堂で上映されたのち、2000年1月29日に公開され18億円の興行収入をあげた。
あらすじ
秘密情報機関OPの特殊要員ユ・ジュンウォン(ハン・ソッキュ)とイ・ジャンギル(ソン・ガンホ)は最近相次ぐ要員暗殺事件の捜査中である。彼らに情報を提供する予定であった武器密売商が射殺されることによって、ジュンウォンはこの事件に北朝鮮の特殊第8軍団が関係している事を知る。そして、ジュンウォンとジャンギルは暗殺犯の行跡を追跡する中で、特殊第8軍団が国防科学技術研究所の開発した新素材液体爆弾CTXを奪取しようと計画していることが分かった。しかし、彼らがCTX奪取情報を聞いて現場に着いたときには既にCTXが強奪された後であった。おまけに、武器密売商と関係が有ったと思われる国防科学研究所の主任も殺される。ジュンウォンはその奪取犯が航空機テロ鎮圧作戦の際、すれ違ったことのある唯一無二の生存者、パク・ムヨン(チェ・ミンシク)の特殊第8軍団の要員たちであることに気が付く。
CTXの恐ろしい破壊力でOPは非常事態に突入するが、特殊第8軍団の目標が一体なんであるかは分かってはいない。ムヨンの行跡を追っていたジュンウォンとジャンギルは何回も目の前で敵を逃してしまい、OP内部から情報が漏れていることに気が付く。
一体誰が裏切り者であるか。どこから情報が漏れているのか。それは意外なところからであった。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||
---|---|---|---|---|
DVD | TV | |||
ユ・ジュンウォン | ハン・ソッキュ | 池田秀一 | 小山力也 | |
イ・ミョンヒョン | キム・ユンジン | 本田貴子 | 深見梨加 | |
パク・ムヨン | チェ・ミンシク | 磯部勉 | 古澤徹 | |
イ・ジャンギル | ソン・ガンホ | 山路和弘 | ||
オ・ソンシク | パク・ヨンウ | 土田大 | ||
テロリスト1 | キム・スロ |
- DVD版その他の声の出演:有本欽隆、中村秀利、堀之紀、西村知道、檀臣幸、小室正幸、安井邦彦、立木文彦、鈴木清信、青山穣、彩木香里、樫井笙人、河相智哉、すずき紀子、山川亜弥
- DVD版日本語制作スタッフ:プロデューサー:中嶋唯雄、演出:戸田清二郎、翻訳:根本理恵、台本:松田海、調整:山田利陽、録音:東京テレビセンター、日本語版制作:ACクリエイト株式会社、
スタッフ
- 監督:カン・ジェギュ
製作
本格的なCG合成(日本のイマジカが担当)や、ハリウッドから取り寄せた実銃ステージガンを使うなど、当時としては韓国映画史上過去最高額の製作費がかけられた。
リアルな銃撃戦を描くために、主要な出演者は撮影前に、実弾射撃やサバイバル・ゲーム、クレー射撃など徹底したトレーニングを行っている[1]。
監督のカン・シュギュは「既存の韓国映画の銃撃戦の限界を我々はよく知っていた。それをどう克服するのか」とし、「『シュリ』で視覚的に楽しめるような銃撃戦を作り観客に満足してもらえるのかが課題だった」と語っている。劇中で使われたステージガンは、アメリカのGIBBONS社から取り寄せたものである[1]。一部は東京マルイなど日本のモデルガンメーカーのものも使用されている。貸与料の2万ドルは製作費のウェイトを大きく占めたが、質感を高めるために実行に踏み切ったとプロデューサーのピョン・ムリムは語っている。
撮影
物語前半でのソウル市内での銃撃戦の屋外ロケでは、ステージガンの発砲音に驚いた市民が通報する事態になった[1]。主演のハン・ソッキュも「考えたこともない銃声だった」と振り返り、また通報が新聞記事(見出しは「都心の銃声、本物ではありません」)で取り上げられたことに関しては「良い宣伝になった」と語っている[1]。
劇中、CTXで爆破されるビルはミニチュアで撮影され、衝撃で砕けるガラスは液晶画面などで使用されるセラミックガラスが使われている。
DVD
DVDのメニューにGUN INDEXという項目がある。劇中で使われた銃器類の説明を見ることができる上、実際に登場する場面へすぐジャンプできる。
続編の打ち切り
- 2006年3月29日、韓国MKピクチャーズと日本GDHは日本での『シュリ』テレビドラマ化へ向けた開発契約を結んだと発表した[2]。総制作費は日本円で約6億円、全20回の作品になると発表されたが、結局製作されていない。
- 『シュリ2』製作に向けて、日本でも投資者の募集が行われたが、実現しなかった。「前作のキャストが全員、再出演する」とプレゼンテーションが行われたという。
パロディ
2002年に韓国で公開された『재밌는 영화』は『シュリ』のパロディ映画である。この作品では、韓国に上陸した日本人極右テロリストたちが、訪韓中の天皇の暗殺を試みる、という日本人的常識からすれば過激な内容だった。テロリストのリーダーを『シュリ』で北の工作員を演じたキム・スロが演じている。
その他
脚注
関連項目
- 「シュリ」は南北の国境の流れる川に生息する淡水魚の一種。ヤガタムギツク参照。