「エアフォースワン」の版間の差分

2014年5月18日 (日) 03:00時点における最新版

テンプレート:Otheruseslist エアフォースワン (Air Force One) とは、アメリカ大統領が搭乗した際にアメリカ空軍機が使用するコールサインである。大統領が搭乗していない時や、大統領の任期が飛行中に終了した時^[1]は、その機体がアメリカ合衆国大統領専用機であっても、このコールサインは使われない。航空交通管制においてアメリカ大統領搭乗機を明確にする目的で用いられる。1959年以前は、その時々のミッションナンバーで呼ばれていたため他の機と似かよったナンバーになり混同されることがあった。

定義

「エアフォースワン」と言った場合、1990年以前はボーイング707を改造したVC-137、それ以降はボーイング747を改造した専用機 (VC-25) の事をさすことが多いが、それは大統領が、星条旗マークを掲げ「UNITED STATES OF AMERICA」表記されカラーリングまで変えられたこの専用機に乗ることがほとんどであるために起こる誤解・誤用である。正確には左記専用機（空軍所属である）/戦闘機/輸送機を問わず、アメリカ空軍（USエアフォース）の航空機に大統領が搭乗すればその搭乗機がコールサインに「エアフォースワン」を用いる^[2][3]。

副大統領の場合

副大統領が搭乗した場合のコールサインは「エアフォースツー」になる。なお、副大統領が単独で移動する場合、現在テンプレート:いつはボーイング757の派生型であるC-32が充てられることが多い。事件や事故によって大統領と副大統領が同時に失われる事態を防ぐため、通常は同じ目的地に移動する際も別の飛行機に乗るようになっている。

海軍機、陸軍機、海兵隊機、沿岸警備隊機の場合

同様に、大統領が他の軍などの航空機に搭乗した場合、そのコールサインは以下のようになる^[4]:

• 海兵隊機に搭乗した場合: マリーンワン - 本コールサインを使用する機体は通常ヘリコプター。VH-3Dの大統領専用機体が存在する。
• 陸軍機の場合: アーミーワン - 1957年から1976年まで、海兵隊と共に輸送を担当していたヘリコプターが本コールサインを用いた。
• 海軍機の場合: ネイビーワン - 2011年現在までのところ、2003年5月1日、カリフォルニア州サンディエゴ沖の太平洋に浮かぶ原子力空母「エイブラハム・リンカーン」に向かうためにブッシュ大統領を乗せた対潜哨戒機のS-3 ヴァイキングが使用した一例のみ。
• 沿岸警備隊機の場合: コーストガードワン - 2012年現在までのところ、本コールサイン使用実績は無し。
• 民間機の場合: エグゼクティブワン - 通常アメリカ大統領は、プライベートな場合を含め民間機に乗ることはないが、リチャード・ニクソンだけがしばしば用いた民間機が本コールサインを使用した。

ちなみに大統領家族の搭乗機の場合はエグゼクティブワン・フォックストロットとなり、シークレットサービスまたはホワイトハウスのスタッフが必要と判断した場合に使用。軍用機・民間機の区別はない。フォックストロット(Foxtrot)はF（familyの頭文字）を示すフォネティックコード。

実機

テンプレート:See also

展示機

退役した空軍大統領専用機の主要な機体は国立アメリカ空軍博物館に展示されている。最初のジェット版専用機Special Air Missions 970（機体はボーイング707-120）は同館から貸し出されてボーイングの博物館に展示中[2]。ロナルド・レーガンが搭乗していた機体はカリフォルニア州シミバレーにあるローナルド・レーガン・プレジデンタル・ライブラリーに展示されている。

ギャラリー

• Boeing VC-25A 82-8000 USAF.jpg

  ラシュモア山上空を飛行するアメリカ合衆国大統領専用機VC-25

• Barack Obama meets his staff in Air Force One Conference Room.jpg

  VC-25内部。カンファレンス・ルームでの一コマ。立っている人物のうち左端がバラク・オバマ大統領

• Reagans land in Moscow 1988.jpg

  ロナルド・レーガン大統領夫妻を乗せたVC-137

• VC-25airforce1 20051116 in Osaka.jpg

  大阪国際空港に駐機するVC-25

外部リンク

• ボーイング社 Air Force One

脚注

1. ↑ 第37代ニクソン大統領辞任の瞬間は機上であったため、飛行中にコールサインが変更された。
2. ↑ 映画「エアフォースワン」で、大統領が乗り移ってきたのを確認した輸送機パイロットが、自機に付与された従前のコールサインから「エアフォースワン」へ切り替え無線交信するシーンがあるが（そして、それは死亡したと思われていた大統領の救出に成功し、大統領が生存していることの宣言でもあった）、これは正しい解釈である。
3. ↑ 第36代大統領リンドン・ジョンソンは第35代ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺を受けて、ケネディが乗るはずの飛行機の中で大統領宣誓をしたが、大統領宣誓が完了した瞬間から当該航空機に「エアフォースワン」のコールサインの使用が可能となった。
4. ↑ Order 7110.65T (Air Traffic Control) FAA規則 February 11, 2010

関連項目

テンプレート:Sister

• 政府専用機

テンプレート:Mil-aviation-stub

テンプレート:PresidentialCallsignsテンプレート:Link GA