青の炎

テンプレート:基礎情報書籍『青の炎』（あおのほのお）は、貴志祐介による小説、またはそれを原作とする2003年公開の日本映画、および漫画。テンプレート:Infobox Film

概要

映像化作品は、演劇界の巨匠蜷川幸雄が映画を演出し話題である。蜷川にとっては、19年ぶりの映画演出作品である。
「（養）父殺し」「17才の完全犯罪」「インターネット」「美少女ゲーム」「ロードレーサー」など、小説の発売当時はあまり知られていなかった題材が登場する。

ストーリー

湘南に住む櫛森秀一は名門高校に通う優等生。ある日、10年前に母と離婚した養父、曾根が現れた。横暴な曾根から家族を守るため、秀一は法的手段に訴えたが、大人の社会の仕組みは、秀一のささやかな幸せを返してはくれなかった。母親の体のみならず妹にまで手を出そうとする曾根に、ついに秀一の怒りは臨界点に達する。

激しい怒りは、静かな激怒へ変わり青い炎が、秀一の心に燈った。自らの手で曽根を殺害することを決心した秀一は、完全犯罪を計画する。

キャッチコピー

こんなにも切ない殺人者が、かつていただろうか。17才の少年が望んだもの。それは、平凡な家庭とありふれた愛。ただ、それだけだった。
僕は、独りで世界と戦っている。
17才の完全犯罪

登場人物（映画キャスト）

主要人物

櫛森秀一：二宮和也（嵐）: 物語の主人公。由比ヶ浜高校に通う高校2年の優等生。パソコンの自作など幅広い趣味を持つ。ロードレーサーで学校に通うのが日課（映画版で、同級生がそれを「自転車」と言うたびに訂正する）。; 家庭の確執からか飲酒癖があるが、適度なら自分では良いと思っている。美術部の幽霊部員で、主に油絵を描く。
福原紀子：松浦亜弥: 秀一のクラスメイト。秀一とは中学時代に同級生だったが、家庭の事情で転校した。その後由比ケ浜高校に編入した。美術部部員で油絵をよく描く。; 映画版ではおとなしい少女だが、原作では気が強い。また、映画版と原作で、秀一の絵の裏に描いた落書きが異なっている。なお、松浦はこの演技により第18回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞している。; 漫画版では登場しない。

主要人物の関係者

犬飼：近藤芳正: 秀一の担任。
小中：渡辺哲: 由比ヶ浜高校の先生。
加納　雅志：六平直政: 櫛森友子と曾根との離婚を担当した弁護士。後に秀一の曾根についての相談にも乗る。
私書箱の男：竹中直人（友情出演）: 私設私書箱の担当者。原作と映画版で外見が違う。
神崎慎太郎：唐沢寿明（友情出演）: 秀一が働いている店の同僚。
櫛森友子：秋吉久美子: 秀一の母。
櫛森遥香：鈴木杏（特別出演）: 秀一の妹。中学2年生で、陸上部の所属。
曾根隆司：山本寛斎: 友子の元夫で櫛森家に強引に住み着き、傍若無人に振舞う。秀一とは血縁がない。
山本英司：中村梅雀: 秀一を取り調べる警部補。

2年A組

石岡拓也：川村陽介: 秀一の幼馴染。; 原作での最後の言葉は「お前、何で?」だが、映画版では秀一の名前を呼んでいる。
笈川伸介: 秀一の友達。あだ名はゲイツ。家が酒屋で、秀一に酒をこっそり売っている。
大門剛: 秀一の友達。原作でのあだ名は「無敵の大門」。由来は人が良いため敵を作らないから。; 映画版は原作と違い、あだ名が「ダイモン」となっている。　; 漫画版では紀子が登場しないため、紀子の出番の一部が大門に変わっている。

製作スタッフ

監督：蜷川幸雄
脚本：蜷川幸雄、宮脇卓也
原作：貴志祐介「青の炎」（角川文庫刊）
音楽：東儀秀樹
製作総指揮：角川歴彦
製作：「青の炎」製作委員会（角川書店、アスミック・エース、ジェイ・ストーム、東宝、博報堂、東芝、アップフロントグループ）
制作：トスカドメイン
配給：東宝

発行物一覧

小説

『青の炎』角川書店上製本 1999年 ISBN 4-04-873195-5　　　　　　
『青の炎』角川書店文庫本 2002年 ISBN 4-04-197906-4

映画DVD·VHS

青の炎特別版
青の炎二宮和也コレクターズエディション切ない殺人者編
青の炎松浦亜弥コレクターズエディション十七歳の恋愛編

写真集・映像集

『青の炎　二宮和也写真集』角川書店西村彩子撮影 2003年 ISBN 4-04-853556-0　
『青の炎シナリオブック』角川書店蜷川幸雄、宮脇卓也著 2003年 ISBN 4-04-873452-0

漫画

『青の炎（あすかコミックスDX）』角川書店　新井理恵漫画　ISBN 4-04-853593-5

外部リンク

青の炎

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