阿蘇 (空母)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
阿蘇(あそ)は日本海軍の未成航空母艦。雲龍型航空母艦の5番艦。艦名は九州の阿蘇山による。艦名は装甲巡洋艦の「阿蘇」に次いで2代目。
候補艦名は身延[1]。
概要
1942年(昭和17年)度策定の改マル5計画により第5006号艦として建造されたが、進水直後に工事は中止された。終戦間際に特攻兵器さくら弾の実験に使われ、被害は軽微だったがその後次第に浸水し着底した。このときの様子を記録した白黒写真が存在し、着底した姿を見ることができる。戦後は浮揚の上、解体された。
主機の生産が間に合わず、「葛城」と同様に陽炎型駆逐艦の主機を2組搭載した。そのため出力は104,000馬力、速力は32ノット(雲龍は152,000馬力、34ノット)に低下する計画だった。
艦歴
- 1943年(昭和18年)6月8日 - 呉海軍工廠にて起工。
- 1944年(昭和19年)11月1日 - 進水。
- 1945年(昭和20年)7月 - 陸軍が特攻機用に開発した新型爆弾さくら弾の爆発効果実験に使用、倉橋島北東部の奥ノ内沖で浸水により着底したがそのまま放置された。
- 1946年(昭和21年)12月20日 - 浮揚に成功、翌日より播磨造船呉船渠(旧呉海軍工廠)によって解体開始。
- 1947年(昭和22年)4月26日 - 解体終了。
要目
「葛城」の要目を参照のこと。
同型艦
- 雲龍 - 天城 [III] - 5002 - 葛城 [II] - 笠置 [II] - 5005 - 阿蘇 [II] - 生駒 [II] - 鞍馬 [II] - 5009 - 5010 - 5011 - 5012 - 5013 - 5014 - 5015
脚注
- ↑ 参考文献「片桐大自(1993)、78頁」(項目名:天城)によれば、遠藤昭氏の「世界の艦船」No.129 掲載記事にもとづく候補艦名。
参考文献
- 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』(光人社、1993年) ISBN 4-7698-0386-9
- 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第3巻 空母I』(光人社、1989年) ISBN 4-7698-0453-9
関連項目
- 阿蘇 (装甲巡洋艦) - 初代
- 大日本帝国海軍艦艇一覧