大英図書館

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大英図書館(セント・パンクラス)

大英図書館(だいえいとしょかん、British Library)は、イギリス国立図書館である。英国図書館とも訳される。

イギリスの法定納本図書館のひとつであり、納本制度に基づいてイギリス国内で流通する出版物は、出版の1ヶ月以内に出版者により1部が収められることが義務付けられている。

沿革

1973年大英博物館図書館や、ロンドンの国立中央図書館を初めとするいくつかのイギリスの国営図書館が、大英図書館法(1972年)に基づいて組織的に統合され、成立した。大英博物館は18世紀の創立でオックスフォード大学ボドレー図書館などに比べると組織の歴史も納本図書館としての歴史も浅いが、1842年以降にイギリス国内で出版された蔵書を保存しており、古書や外国文献の収集も盛んに行われている。

当初は新しい図書館の建物の建設は行われず、蔵書は大英図書館に統合された各図書館の書庫において分散保存が行われた。しかし、資料の増大とともに書庫スペースの不足が問題となり、1982年よりロンドン郊外のセント・パンクラスに建造される新館への移行事業が開始された。1998年、新聞図書館など一部の専門図書館的な機能をもつ図書館を除いて大英図書館に所属する諸図書館の蔵書が新館に集約されて全面開館を果たし、大英図書館は完全統合した。

納本制度と蔵書構成

大英図書館はイギリスの国立中央図書館の機能をもち、出版後1ヶ月以内に納本された出版物を半永久的に保存するとともに、これを用いてイギリスの全国書誌を編纂する。

イギリスの納本図書館は大英図書館のほかに5館(ボドレー図書館、ケンブリッジ大学図書館、トリニティ・カレッジ図書館、スコットランド国立図書館ウェールズ国立図書館)あるが、出版後すぐに納本することが義務付けられているのは全国書誌を作成する大英図書館だけで、他の5館は1年以内に納本を要求する権利を有するのみである。

大英図書館はその設立の経緯から、イギリスの旧王室図書館を経て大英博物館に集められた蔵書を数多く所有し、世界中の3000年分にわたる写本、稀覯本と言ったものが多数蔵書として管理されているのが特徴である。また、館内には人文、科学技術、貴重書、手稿本、東洋・インド文献などの複数の主題閲覧室が設置されており、いずれも世界有数の研究図書館である。

トリビア

英国へ亡命中のカール・マルクスが30年間通い詰めた図書館として知られている。この間『資本論』をはじめ主要な著作が本館の資料を基に作成されている。

有名な蔵書

外部リンク

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