肥田式強健術
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(聖中心道肥田式強健術から転送)
テンプレート:複数の問題 肥田式強健術(ひだしききょうけんじゅつ)は肥田春充が創始した心身鍛錬体系。正式名称を聖中心道肥田式強健術という。
春充の晩年の著作(『1分間の強健法』等)によれば、強健術、天真療法、宇宙倫理の三つに大別した体系となっている。
強健術
以下の八大要件を備え、腰と腹に同量の力を込める「中心力」によって心身を鍛錬する体系。
- 筋肉の発達
- 内臓の壮健
- 姿勢の調和
- 体格の均整
- 動作の敏活
- 皮膚の強靭
- 気力の充実
- 精神の平静
強健術には大別して、「簡易強健術」「氣合応用強健術」「椅子運動法」「正中心鍛冶術」「中心力抜刀術」等があり、それぞれが「腰腹同量の正中心」練磨を目指している。
- 簡易強健術
- 一名「呼吸応用の強健術」とも言われ、呼吸と動作を調和させ両足を固定して、全身の主要筋肉と正中心を鍛える法。十種の型より構成される。
- 腓腹筋練修法(ふくらはぎ)
- 上脚二頭筋練修法(股の下の筋肉)
- 上脚四頭筋練修法(股の筋肉)
- 斜腹筋練修法(横腹の筋肉)
- 廣背筋練修法(背中の筋肉)
- 大胸筋練修法(胸の筋肉)
- 三角筋練修法(肩の筋肉)
- 上膊三頭筋練修法(上腕の後の筋肉)
- 上膊二頭筋練修法(上腕の前方の筋肉即ち力瘤)
- 前腕筋練修法(前腕の筋肉)
- 氣合応用強健術
- 「踏み附け」「踏み込み」と呼ばれる独特の脚さばきにより、脚の力を腹と腰に伝え氣合を込め「正中心」及び全身の主要筋肉を鍛える法。十一種の型より構成される。
- 前腕筋練修法(中心力を以って前腕筋を鍛へる法)
- 上膊二頭筋練修法(中心力を以って上腕前方の筋肉、俗に云う力瘤を鍛へる法)
- 上膊三頭筋練修法(中心力を以って上腕後方の筋肉を鍛へる法)
- 三角筋練修法(中心力を以って肩の筋肉を鍛へる法)
- 點頭筋練修法(中心力を以って頸の筋肉を鍛へる法)
- 大胸筋練修法(中心力を以って胸の筋肉を鍛へる法
- 廣背筋練修法(中心力を以って背中の筋肉を鍛へる法)
- 斜腹筋練修法(中心力を以って横腹の筋肉を鍛へる法)
- 上脚四頭筋練修法(中心力を以って股の上部の筋肉を鍛へる法)
- 上脚二頭筋練修法(中心力を以って股の下部の筋肉を鍛へる法)
- 腓腹筋練修法(中心力を以って「ふくらはぎ」を鍛へる法)
- 椅子運動法
- 椅子に腰かけたまま行い、全身の主要筋肉と呼吸と中心力を調和させながら行う鍛錬法。七種の型より構成される。
- 前腕と呼吸と、中心力との調節運動
- 上腕と呼吸と中心力との調節運動
- 肩と呼吸と中心力との調節運動
- 胸と呼吸と中心力との調節運動
- 腰腹と呼吸との調節運動
- 上脚と呼吸と中心力との調節運動
- 下脚と呼吸と中心力との調節運動
- 正中心鍛冶術
- 鉄棒を両手に持ち正中心を鍛冶する法。四種の型より構成され、手に鉄棒を持たない二種の型もある。
- 正中心道腰腹練修法(上体より)
- 正中心道腰腹練修法(下体より)
- 中心力腰式鍛錬法
- 中心力腹式鍛錬法
- 中心力抜刀術
- 腰腹同量の正中心力、氣合によって、抜刀を行うもの十八種の型より構成される。
- 坐刀の型
- 踏打の型
- 右横の型
- 左横の型
- 正前の型
- 右上の型
- 左上の型
- 左斜下の型
- 後退の型
- 後斬の型
- 直下の型
- 両膝の型
- 左膝の型
- 一刀の型
- 摸顛の型
- 倒起の型
- 立下の型
- 立上の型
この他にも、静坐をして正中心を鍛錬する「正中心練磨法」、中心力を護身術に応用した「中心力護身法」、同様に中心力を弁論に応用した「中心力雄弁法」がある。
天真療法
人体の自然治癒能力を高め、病気を治療する法。「自己療法」とも呼ばれる。天真療法では治病の三大要件として、「安静」「食養」「排泄」の三要素を挙げている。
- 安静
- 身体、精神ともに休養安静にして、精力の回復を図る法。患者の容態にあわせ、第一安静~第五安静までの五段階に別れ、看護の方法、食事等について厳密に定めている。
- 食養
- 適切な栄養を供給して、体力と抵抗力を養う方法。春充は真食養の三大要件として、食物の「質」「分量」「摂取方法」が適切であることを挙げている。
- 排泄
- 排泄の適切は栄養の摂取と供に、天真療法において治病の重要な要素とされる。適切な食養を行っていれば排泄も適切に行われるが、便秘などの場合にはイルリガートルの浣腸等により排泄を促す場合もある。
宇宙倫理
哲学真理、科学真理、宗教真理は一致するとの観点から、自身の心身鍛錬体験によって到達した境地より語られた体系。晩年は、世界平和の鍵は、この三真理が一致した絶対真理にありとの確信より研究を続け、これを「宇宙大学」と名づけた。この研究成果は、膨大な原稿となり死後『宇宙倫理の書』として出版される。
参考文献
- 『聖中心道 肥田式強健術』『一分間の強健法』、『川合式強健術』
- 『天真療法』、『国民医術天真法』『生は死より強し(簡易治宝典)』『一分間の強健法』
- 『宇宙倫理の書 巻一』『宇宙倫理の書 巻二』『一分間の強健法』『合本 聖中心道』