百目のソースを表示

{{Otheruses|妖怪|尺貫法の単位|匁}}
[[ファイル:Sakaiminato Mizuki Shigeru Road Hyakume Statue 1.JPG|thumb|right|220px|[[鳥取県]][[境港市]]・[[水木しげるロード]]に設置されている「百目」のブロンズ像。]]
'''百目'''（ひゃくめ）は、体中に無数、または百個の[[目]]を持つ日本の[[妖怪]]。

== 概要 ==
[[水木しげる]]の著書『図説 日本妖怪大全』などにあるものだが、一次出典は不明で<ref name="murakami">{{Cite book|和書|author=[[村上健司]]編著|title=日本妖怪大事典|year=2005|publisher=[[角川書店]]|series=Kwai books|isbn=978-4-04-883926-6|page=280}}</ref>、日本の[[伝承]]上にもこの名の妖怪は確認されていない<ref name="解体新書">{{Cite book|和書|author=村上健司他編著|title=百鬼夜行解体新書 |year=2000|publisher=[[コーエー]]|isbn=978-4-87719-827-5|page=105}}</ref>。[[山口敏太郎]]によれば、これは妖怪漫画家・[[水木しげる]]の創作物とされる<ref>{{Cite web|author=[[山口敏太郎]]|url=http://www.top.ne.jp/aliceweb/youkai/masukomi/kodomo/|title=妖怪王書評&#x301C;懐かし子供妖怪本|work=[http://www.top.ne.jp/aliceweb/youkai/ ホラーアリス妖怪王]|accessdate=2008-12-12}}</ref>。水木原作による[[特撮]]テレビ番組『[[悪魔くん]]』の第1話に登場した「妖怪ガンマー（眼魔）」が後に「百目」と改名され、さらに後に水木の著書に収録されたとの指摘もある<ref>{{Cite book|和書|author=[[京極夏彦]]|title=妖怪の理 妖怪の檻|year=2007|publisher=角川書店|series=KWAI BOOKS|isbn=978-4-04-883984-6|page=299}}</ref>。

水木の著書によれば、[[太陽]]の出ている昼間はまぶしいので主に夜に出歩くことが多く、人が百目に出会うと無数の目の一つが飛び出し、後をついて来るされる。また、[[鳥山石燕]]の『[[今昔画図続百鬼]]』にある[[百々目鬼]]、同『[[今昔百鬼拾遺]]』の[[目目連]]などに類似した妖怪とも述べられている<ref>{{Cite book|和書|author=[[水木しげる]]|title=図説 日本妖怪大全|year=1994|publisher=[[講談社]]|series=[[講談社+α文庫]]|isbn=978-4-06-256049-8|page=384}}</ref>。

他に姿が似ている妖怪として、『天縁奇遇』（[[春川五七|神屋蓬洲]]作画、文化9年（[[1812年]]）刊）掲載の「野風」が挙げられる、こちらは目ではなく口だが、全身くまなくある様子や、弛緩した皮膚、ざんばら髪と共通点が多い<ref>[[辻惟雄]] 『奇想の江戸挿絵』 集英社〈集英社新書ヴィジュアル版〉、2008年4月、ISBN 978-4-0872-0440-7。</ref>。続いて、葛飾派の画稿「百々眼鬼」（個人蔵）<ref>[http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/dis0708.html ＡＹＡＫＡＳＨＩ　江戸の怪し]　[[太田記念 浮世絵美術館]]</ref>になると、かなり百目の姿に近づいてくる。こちらは、[[葛飾北斎]]あるいはその周辺の絵師が、先行する「百々目鬼」の発想と、「野風」の図像を組み合わせて創作した可能性がある<ref>[[安村敏信]]編 『浮世絵図鑑』 平凡社、〈別冊太陽〉、2014年1月、71頁、ISBN 978-4-582-92214-1。</ref>。

水木の描く百目は[[水木しげるロード]]の彫像にも見られるが、妖怪研究家・[[村上健司]]はこの百目のモデルを、[[カール・グスタフ・ユング]]の著書『変容の象徴』にある「百目鬼」なる挿絵と推測している<ref name="murakami" />。ユングの出典は[[クルト・ネットー]]、[[ゴットフリード・ワグネル]]『日本のユーモア』(''Japanischer Humor'')で、該当図には出典が記されていないが、先述の北斎派の画稿と全く同じである。

全身に無数の目があるというインパクトのある外見から、キャラクターのモチーフとして採用されることも多く、前述の『悪魔くん』のリメイク版漫画やアニメで主人公の味方として登場したほか、特撮作品の敵キャラクターとして登場することも多い<ref name="解体新書" />。

== 記念碑 ==
[[徳島県]][[三好市]][[山城町 (徳島県)|山城町]]の[[三好市立上名小学校]]では、[[2012年]][[3月]]予定の休校に向け、全児童8人による卒業記念制作として、[[2011年]]から百目をモチーフにした[[モニュメント]]が製作された。樹齢100年前後の[[ヒノキ]]の丸太を用い、丸太に刻まれた約20個の節を目に見立てたもの。この目が地域をいつまでも見守るというメッセージを込めて、数多くの妖怪モニュメントが並ぶ同町の「藤川谷妖怪街道」に設置される予定である<ref>{{Cite web|date=2011-11-01|url=http://www.topics.or.jp/localNews/news/2011/11/2011_132010984166.html |title=「百目」地域見守って 三好・上名小児童、妖怪モニュメント作り |publisher=[[徳島新聞]]|accessdate=2013-10-13}}</ref>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}

==関連項目==
* [[日本の妖怪一覧]]

== 外部リンク ==
* [http://www.sakaiminato.net/site2/page/roadmap/bronze/100/ 水木しげるロードの妖怪たち] - [http://www.sakaiminato.net/ 境港市観光協会]

{{DEFAULTSORT:ひやくめ}}
[[category:水木しげるオリジナルの妖怪]]
[[Category:漫画の登場人物]]
[[Category:テレビドラマの登場人物]]
[[Category:アニメの登場人物]]