法明寺 (豊島区)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:日本の寺院 法明寺(ほうみょうじ)は、東京都豊島区南池袋にある、日蓮宗の寺院。山号は威光山。飛地境内に鬼子母神堂がある。
概要
往時は、真言宗とも天台宗ともいわれ、吾妻鏡に見える威光寺に比定されていた。しかし、妙楽寺の日光菩薩像の胎内から墨書銘が発見されたことにより、威光寺ではないことが判明した。鎌倉時代、日蓮の弟子・日源により、日蓮宗に改宗し、威光山法明寺と改称した。室町時代、鬼子母神が安置されて茶屋などが軒を連ね門前町を形成した。
旧本山は身延山久遠寺。通師雑司が谷法縁の縁頭寺。
歴史
- 810年(弘仁1年)威光寺が創建する。
- 1312年(正和1年)日源が日蓮宗に改宗し、法明寺と改称する。
- 1665年(寛文5年)不受不施派の弾圧により、法明寺15世・日了は流罪となる。
- 1923年(大正12年)関東大震災により、本堂が倒壊する。
- 1932年(昭和7年)本堂を再建する。
- 1945年(昭和20年)戦災により、全山焼失する。
- 1959年(昭和34年)本堂を再建する。
- 1963年(昭和38年)書院を再建する。
- 1968年(昭和43年)山門、鐘楼堂を再建する。
諸堂
- 本堂
- 威光山稲荷堂
- 本尊:倉稲魂命
- 安国堂(祖師堂)
- 本尊:日蓮上人
- 鬼子母神堂(別述)
- 塔頭
- 観静院
- 玄静院
- 蓮光院
- 真乗院
文化財
東京都指定文化財
鬼子母神堂
鬼子母神堂(きしもじんどう/きしもしんどう)は法明寺の飛地境内にある堂。1561年(永禄4年)山村丹右衛門が現在の目白台のあたりで鬼子母神像を井戸から掘り出し、東陽坊に祀ったのが始まりとされる。1578年(天正6年)現在の社殿を建立したという。なお当所における正式な「鬼子母神」の表記は「鬼」の上の点がない字体である。
諸堂
- 鬼子母神堂
- 本尊:鬼子母神
- 中心となる堂宇。現在の社殿は、1664年(寛文4年)建立で、東京都指定有形文化財に指定されている。豪華な彫刻が施されている。現在は拝殿が入母屋造で、本殿が流造となっている変型の権現造となっているが、建てられた当初は相の間はなく、1700年(元禄13年)付け加えられたものである。
- 武芳稲荷堂
- 法不動堂(のりふどうどう)
- 本尊:金剛不動尊
- 妙見堂
- 本尊:妙見菩薩
- 鬼子母神堂本殿の背面に接して反対向きに祀られている。社殿は一間社流造。
旧末寺
日蓮宗は昭和16年に本末を解体したため、現在では、旧本山、旧末寺と呼びならわしている。
- 平等山観静院(豊島区南池袋)塔頭
- 紫雲山玄静院(豊島区南池袋)塔頭
- 妙音山蓮光院(豊島区南池袋)塔頭
- 合掌山真乗院(豊島区南池袋)塔頭
- 長慶山蓮成寺(山形県西村山郡朝日町三中甲)
- 妙永山本納寺(豊島区雑司が谷)
- 法光山本覚寺(練馬区旭町)
- 松久山妙蓮寺(横浜市旭区善部町)