三科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(十二処から転送)
テンプレート:Redirect テンプレート:Sidebar 三科(さんか)とは、仏教における一切法を分類した三範疇、五蘊・十二処・十八界をいう。また、六根・六境・六識の三範疇をいうこともある。部派仏教では、三科を世界を在らしめる『一切法』の分類としている。
概要
- 六根(ろっこん) - 人間の持つ六つの器官。六内入処(ろくないにゅうしょ)とも。
- 六境(ろっきょう) - 六根の対象。六外入処(ろくがいにゅうしょ)とも。
- 六識(ろくしき)
- 十二処または十二入 - 六根と六境をあわせたもの。
- 十八界(じゅうはちかい) - 十二処に六識を加えたもの。
摩訶般若波羅蜜経では、陰界入(五陰、十八界、十二入)と略している。
それぞれの詳細については下記のとおり。
十八界 | ||
---|---|---|
十二処 | ||
六根 | 六境 | 六識 |
眼(げん) | 色(しき) | 眼識(げんしき) |
耳(に) | 声(しょう) | 耳識(にしき) |
鼻(び) | 香(こう) | 鼻識(びしき) |
舌(ぜつ) | 味(み) | 舌識(ぜっしき) |
身(しん) | 触(そく) | 身識(しんしき) |
意(い) | 法(ほう) | 意識(いしき) |
このうち、眼・耳・鼻・舌・身を五根といい、人間が外からの影響を受ける身体の器官すなわち五感であり、意はそれによって生じる心の働きのことである。
その他
さらに経典によっては、下記を加える。
- 六識身(ろくしきしん、過去の記憶) - 眼識身・耳識身・鼻識身・舌識身・身識身・意識身
- 六触身(ろくそくしん、外界との接触) - 眼触・耳触・鼻触・舌触・身触・意触
- 六受身(ろくじゅしん、外界との接触により生じる判断) - 眼触因縁生受・耳触因縁生受・鼻触因縁生受・舌触因縁生受・身触因縁生受・意触因縁生受
- 六愛身(ろくあいしん、外界との接触により生じる愛着) - 色愛・声愛・香愛・味愛・所触愛・法愛