ヨーロッパ (バンド)
ヨーロッパ(EUROPE、1979年 - )は、スウェーデン出身のヘヴィメタルバンド。"The Final Countdown"(1986年)の大ヒットで知られる。1992年から一旦長期にわたり活動を停止するが、2004年に再結成を果たしアルバムをリリースした。現在は"The Final Countdown"発表時のメンバーで活動中。再来日も果たしている。
音楽的特徴
北欧メタルの始祖的存在として位置づけられることが多い、メロディアスな旋律とハイトーン・ヴォーカルを最大の特徴とするバンドである。特に初期の作品にはこうした色合いが強く、キーボードを盛り込んだ叙情的なメロディは数々のハードロック、へヴィメタルバンドに大きな影響を与えた。
"The Final Countdown"はEUROPEの最大のヒット作となり、日本でもスズキ・カルタスのCMソングとしてヒットした。大ヒットした後の作品に多大な期待が高まる中「Out of this world」を製作。曲調がポップになったことによって賛否両輪を呼ぶ。その後に発売された5thアルバム「Prisoners in Paradise」は彼らのメロディ創造能力を極限まで開花させた作品となったが、プロデューサーがヴォーカルを前面に押し出しすぎEUROPE独特のサウンドを失ってしまう。
その後バンドは休憩が必要だと言い残し長い間活動を休止する。皆それぞれバンドを結成したりソロ活動をしたりしていた。 その後2004年、再結成した。
バイオグラフィー
1980年に、ジョーイ・テンペスト(Vo)、ジョン・ノーラム(Gt)、ジョン・レヴィン(Ba)、トニー・レノ(Dr)らによって結成される。当時のバンド名はまだEUROPEではなく、FORCEと名乗っていた。
1982年、FORCEはスウェーデンの4000バンドあまりが出場したコンテストで優勝、ジョーイはベストヴォーカル、ジョンはベストギタリスト賞に選ばれる。また、このコンテスト優勝がきっかけでレコード契約を獲得し、バンド名をEUROPEに変更。
1983年、アルバム「EUROPE」でメジャーデビュー。日本での人気が先行し、「北欧メタル」の先駆者として世界のどこよりも先に人気に火がつく。
1984年、2ndアルバム「WINGS OF TOMORROW」をリリース。北欧メタルの地位を確固たるものにする。このころドラマーのトニー・レノが脱退、後任にイアン・ホーグランドが、さらにキーボーディストにミック・ミカエリが加入。
1986年、3rdアルバム「THE FINAL COUNTDOWN」をリリース。シングル「ファイナル・カウントダウン」は780万枚売れて25カ国で1位、アルバムは650万枚の売り上げを記録する大ヒットとなり、EUROPEの名前は世界に知れ渡るようになる。一方で、音楽性のポップ化が進行し、それに疑問を感じたジョン・ノーラムが脱退。後任にキー・マルセロが迎えられた。実はこのアルバムが出る前からBon JoviはEUROPEのことをライバル視していた。日本のある雑誌でインタビューを受けた時に、「日本でのEUROPEの人気はどうなの?」と聞いたというエピソードがある。
1988年、4thアルバム「OUT OF THIS WORLD」をリリース。完成度の高いアルバムではあるが音楽性のポップ化はさらに推進される。
1991年、5thアルバム「PRISONERS IN PARADISE」をリリース。前作のポップ路線とは逆にハードロック路線への回帰を図ったが、アメリカナイズされた初期の音源との相違と北欧的な叙情メロディが後退した。
1992年、活動を停止する。理由は度重なるツアーに疲れたバンドが休みを取ろうとしたことによるが、これがあまりにも長期にわたり事実上の解散となる。
1999年、12月31日にスウェーデンで一回限りの再結成ライヴとなる"The Final Countdown""Rock The Night"を披露。そこではじめてジョン・ノーラム、キー・マルセロによるツインギターが実現した。"The Final Countdown"ではハモリのソロ、"Rock The Night"では、交互にギターソロを担当し、互いのスポットを分け合った。しかし正式な再結成声明が出されたわけではなかった。このライブのとき再結成しないかとみんなで相談していたが、メンバーはみなソロ活動の契約があったためすぐにというわけにはいかなかった。そして再結成が果たされる2004年まで度々電話で話をしていた。時々ジョーイの家にも遊びに行って曲を作っていたこともあってメンバーは皆やる気満々だった。特にイアン・ホーグランドは「早く再結成しようぜ!」と毎回のように電話で話していたようだ。
2004年、"The Final Countdown"当時のメンバーいわゆる黄金期のメンバーでの再結成が実現。アルバム「START FROM THE DARK」をリリース。このアルバムは今までの曲とは違ったヘヴィな曲ばかりになった。「俺たちは昔の殻を破ってこのサウンドにたどり着いたんだ」と言っていた。ほぼすべての曲を半音下げて歌っている。 2005年、約13年ぶりの来日公演が実現。
2006年、アルバム 「SECRET SOCIETY」をリリース。
2007年、4月に 「SECRET SOCIETY」 ツアーで2年ぶりの来日公演。
ディスコグラフィー
スタジオアルバム
- 「幻想交響詩」EUROPE (1983年)
- 「明日への翼」WINGS OF TOMORROW (1984年)
- 「ファイナル・カウントダウン」THE FINAL COUNTDOWN (1986年)
- 「アウト・オブ・ディス・ワールド」OUT OF THIS WORLD (1988年)
- 「プリズナーズ・イン・パラダイス」PRISONERS IN PARADISE (1991年)
- 「スタート・フロム・ザ・ダーク」START FROM THE DARK (2004年)
- 「シークレット・ソサエティ」SECRET SOCIETY (2006年)
- 「ラスト・ルック・アット・エデン」LAST LOOK AT EDEN (2009年)
- 「バッグ・オブ・ボーンズ」BAG OF BONES (2012年)
コンピレーション
メンバー
- ジョーイ・テンペスト(Joey Tempest) - ヴォーカル担当。1963年8月19日生。
- ジョン・ノーラム(John Norum) - 初代のギター担当。1964年2月23日生。
- ジョン・レヴィン(John Leven) - ベース担当。1963年10月25日生。
- トニー・レノ(Tony Reno) - 初代のドラム担当。1963年2月10日生。
- イアン・ホーグランド(Ian Haugland) - 2代目のドラム担当。1964年8月13日生。
- ミック・ミカエリ(Mic Michaeli) - キーボード担当。1962年11月11日生。
- キー・マルセロ(Kee Marcello) - 2代目のギター担当。1960年2月20日生。