ポストコロニアル理論
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ポストコロニアル理論(テンプレート:Lang-en-short、ポストコロニアリズム、ポストコロニアル批評ともよばれる)は、狭義には文芸批評の理論である。植民地主義や帝国主義に関わる文化、歴史などを広範囲に取り扱い、批評、評論していくが、多岐にわたる方法論や問題意識の集合体であり、一つの運動ではない。略称はポスコロ。
概要
テンプレート:出典の明記 20世紀後半、第二次世界大戦後、世界が脱植民地化時代に突入すると、それまで植民地だった地域は次々に独立を果たしたが、こうした旧植民地に残る様々な課題を把握するために始まった文化研究がポストコロニアリズムである。ポストコロニアリズムの旗手エドワード・サイードが著した『オリエンタリズム』(1978年)の視点がポストコロニアル理論を確立した。
例えば、ヨーロッパで書かれた小説に、アジア・アフリカなど植民地の国々がどのように描かれているか[1]、あるいは旧植民地の国々の文学ではどのように旧宗主国が描かれているか、旧植民地の文化がいかに抑圧されてきたかといった視点で研究する。一般に、旧植民地と旧宗主国またはその他の国との関係性に着目し、西欧中心史観への疑問を投げかけ、旧植民地文化の再評価のみならず、西欧の文化を問い直す視座を提供する。日本の場合、ヨーロッパとの関係、アジアの植民地との関係においても考察の対象になる。
今日では、西欧世界の他者理解を批判するためのみならず、自国の他者理解にも通じる視点をもった、文学および思想の分析、メディアに対する分析、さらにフェミニズムからの分析などが行われている[2][3][4]。
関連人物
- フランツ・ファノン
- エドワード・W・サイード
- ガヤトリ・C・スピヴァク
- ホミ・K・バーバ
- ポール・ギルロイ
- 周蕾(レイ・チョウ)
- スチュアート・ホール
- 姜尚中(カン・サンジュン) - 日本におけるポスト・コロニアル論者。
- 本橋哲也
- 菊地夏野 - ジェンダー論・日本植民地主義批判の視点からのポスト・コロニアル論者。
脚注
- ↑ 例えばジョゼフ・コンラッドの『闇の奥』(1899年)は啓蒙の仮面をかぶった帝国主義を批判しながらも文明/野蛮の二分法を引きずっており文化相対主義とは隔たりがある。
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参考文献
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