アマンタジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シンメトレルから転送)
移動先: 案内検索

テンプレート:Drugbox アマンタジン (Amantadine) は示性式C10H15NH2、分子量151のアミン。別名1-アミノアダマンタントリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-1-アミンアダマンタンアミノ基がついた構造をしている。実際の製剤名は塩酸アマンタジン。CAS登録番号は768-94-5、塩酸塩のCAS登録番号は665-66-7。

黒質線条体からのドーパミン放出を促し、パーキンソン病の症状を改善する治療薬として用いられる。パーキンソン症候群の全てに効果があるわけではない。

また、インフルエンザウイルスのM2蛋白を阻害し、ウイルス脱殻することを抑制し、またウイルス粒子を構成することができなくなることによりA型インフルエンザ治療薬としても用いられる。なお、B型インフルエンザには効果がない。副作用は睡眠障害や幻覚などであるが、パーキンソン病治療薬としては副作用は少ない方である。

米国では 2005-2006年のインフルエンザシーズン当初にインフルエンザA/H3N2型において 92.3%の率で耐性をもつウィルスが検出され、アメリカ疾病予防管理センターは抗インフルエンザ薬として使用しないよう緊急勧告を出した。英国国立医療技術評価機構(NICE)のよる2008年のガイドラインは、インフルエンザの予防に使用してはならないと勧告し[1]、同様に治療にも使用してはならないとしている[2]。日本においては引き続き使用されているが、結果として臨床においても 2003-2004 シーズン、2004-2005 シーズン、2005-2006 シーズンを比較すると有意に解熱時間、発熱時間が年々延長していることが明らかになっている(日本臨床内科医会インフルエンザ研究班の調査)。

本来インフルエンザ感染症の治療薬として開発されていたが、治験の最中にパーキンソン病が改善した患者がいたため、適応を拡大した。商品名として代表的なものは「シンメトレル」であるが、後発品も多数ある。

種類

  • 錠剤:50mg, 100mg
  • 細粒:10%

用法・用量

  • 1日400~1,200mgを分割経口投与する。なお症状、年齢により適宜増量する。

出典

テンプレート:Reflist

テンプレート:インフルエンザ
  1. テンプレート:Cite report
  2. テンプレート:Cite report