オープン価格
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(オープンプライスから転送)
オープン価格(オープンかかく)・オープンプライス(open price)とは、販売する商品に対してメーカー側が希望小売価格を具体的に定めていないものである。
家電製品、カメラなどの耐久消費財に多く導入されており、小売店の店頭では、実際販売価格(売価)だけが表示され、「ズバリ○円」という形で表示されていることが多い。
背景
1980年代中頃からの大型量販チェーン店の台頭により、家電製品やカメラなどで希望小売価格に対して「○%引き」「三割四割は当たり前」といった売価の表現が常態化したため、公正取引委員会によって、「15%以上の値引きが市場の 2/3以上で、20%以上の値引きが市場の 1/2以上で行われている場合は二重価格」という基準が設けられた(家電製品の二重価格問題)。
この基準に抵触しないよう、1990年頃から、電機メーカーが値崩れの激しい製品(主に生産を終了し、流通在庫のみが残る商品)に適用する事が多くなった。
しかし、依然として希望小売価格の設定された商品については、「○%引き」を強調した販売合戦が後を絶たず、2000年頃からは、ほとんどの家電製品、特に携帯電話について希望小売価格の設定を止めて、オープン価格に移行している。
メリット
メーカー側
小売店側
- 他店よりも安く売価を設定することにより、消費者に購入してもらいやすくなる。
- 売価を高めに設定しマージンを厚く取ることも可能である。
- 消費者に店頭まで足を運んでもらえる。
消費者側
- 同じ値段、同じ機能で売られている。新製品は「最初からそれなりの値段」で売られ、時代遅れの製品も「希望価格から大幅に割り引かれて店頭に並んでいる」とき、商品知識に乏しい消費者が値引き率につられて後者を購入することがあったが、それを避けられる。
デメリット
メーカー側
- 卸先に対して、希望小売価格に対する掛け率の形での卸価格を設定できない(内部的な参考価格を提示する場合はあるが、一般に公開されない)。
小売店側
- 仕入れの際、希望小売価格に対する掛け率の形での仕入れ価格の交渉などができない(内部的な参考価格を提示する場合はあるが、一般に公開されない)。
- 販売価格の提示の際に希望小売価格に対して何割引と書けないため、安売りのイメージの表現パターンが減少する。
- 異なるメーカー間での商品比較がしにくい。
消費者側
- 実際に店頭に行かないとおおよその価格帯がわからない。
- 販売店によって売価に差が生じるため、損をする場合がある。
- 異なるメーカー間での商品比較がしにくい。
そのため、インターネットを使って情報収集をしたり、小売店を回って比較したりすることがポピュラーである。