アストンマーチン
アストンマーチン(Aston Martin)は、イギリスの乗用車メーカーでありブランドの名称である。社名としては「アストンマーチン・ラゴンダ」が正式である。
現在、日本の正規販売店では「アストンマーティン」の表記を用いている。
概要
ブランドの名称は、英国バッキンガムシャーの村アストン・クリントン(Aston Clinton)の前半と、創業者のひとりライオネル・マーティン(Lionel Martin)のラストネームに由来する。1913年の創業である。
創業以来品質を重視した車作りを手がけており、現行にいたるまで叩き出し、塗装、内装、組み立てといった製作工程の大半が熟練した職人の手によるものである。そのため採算はあまり重視しておらず、第二次世界大戦後には経営不振に陥りしばしば経営者が変わることになった。なお、一時期実業家デヴィッド・ブラウンが経営していたため、モデル名に彼のイニシャルである「DB」が付けられていた。しかし1970年代にDBグループは経営破綻し、経営権が再び永らく多くの実業家の間を転々とする状態になった。そして1987年にフォード・モーター傘下に納まり、フォードはデヴィッド・ブラウンを役員として再び招聘した(現在は退任)。そのためDB7以降の車種では再び「DB」の車名を名乗るようになった。その後、ようやく経営状態は安定するようになる。また、かつてはル・マン24時間レースで好成績を収め、映画007シリーズでは、何度もボンドカーとして登場した。
フォードの傘下となったことで、ジャガー、ランドローバー、ボルボ・カーズ、デイムラーとともにPAG(プレミアム・オートモーティブ・グループ)を構成するメーカーの1つとなった。
2007年3月、WRCで活躍するプロドライブの創設者でF1のB・A・Rにも関わったデビッド・リチャーズやクウェートの投資会社2社などにより構成される投資家グループに、4億7900万ポンド(8億4800万米ドル)で売却された。株式の一部は、フォードによっても継続保持されている。
近年では新車の製造販売のみならず、過去に製造出荷された自社の車両をレストアする事業にも力を入れており、主に投資対象として旧型車両を購入した富裕層からの受注に応えている。こうした取り組みもあり、アストンマーチン車は2014年現在、歴代全出荷台数の9割が実働車として現存しているとされる[1]
車種一覧
過去の車種
- アルフレッド・ヒッチコックの映画『鳥』でDB2/4ドロップヘッド・クーペが使用された。
- 1959年のル・マン24時間レースでロイ・サルヴァドーリ/キャロル・シェルビーのペアで優勝したほか、同年のワールド・スポーツカー・チャンピオンシップを英国車として初めて獲得した。
- DB4(1958年-1963年)
- DB4GT(1959年-1963年)
- DB4GTザガート(1960年-1963年)
- DP212/DP214/DP215(1962年-1963年)
- DB5(1963年-1965年)
- 映画007シリーズ『ゴールドフィンガー』『サンダーボール作戦』でボンドカーに使用されたほか、『ゴールデンアイ』『トゥモロー・ネバー・ダイ』『カジノ・ロワイヤル』『スカイフォール』でも使用された。『キャノンボール』にもロジャー・ムーアのマシンとして起用されている。
- V8(1972年-1989年)
- 映画007シリーズ『リビング・デイライツ』でボンドカーに使用された。
- ラゴンダ・ラパイド(1961年-1964年)
- ラゴンダ(1974年-1990年)
- ヴィラージュ(1988年-1995年)
- ヴァンテージ(1993年-2000年)
- DB7(1994年-1999年)
- DB7ヴァンテージ(2000年-2003年)
- DB7ザガート・AR1(2003年)
- V12ヴァンキッシュ(2001年-2004年)
- 映画007シリーズ『ダイ・アナザー・デイ』でボンドカーに使用された。
- V12ヴァンキッシュS(2004年-2007年)
- One-77(2008年-2012年)
- DBS(2008年-2012年)
- 2011年5月、DB4GTザガートの生誕50周年を記念して、世界的なクラシックカーのコンクールコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステにて、V12ザガートのプロトタイプがお披露目された。同年6月にはニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦。2012年2月に市販モデルが公開された。全世界150台限定のスペシャルモデルとして、9月から1年間だけ生産される。
現行車種
- DBSクーペの後継モデルとして発売された。
コンセプトカー
- V12 Vantage RS
プロトタイプレーシングカー
- アストンマーチン・AMR1 (1989年)
- ローラ・アストンマーチンDBR1-2 (2009年)
- アストンマーチン・AMR-One(2011年)
脚注
関連項目
外部リンク
正規ディーラー
- Aston Martin Akasaka(アストンマーティン赤坂 公式サイト)
- Atlantic Cars Limited(アトランティックカーズ 公式サイト)
- Aston Martin Osaka/Nagoya(アストンマーティン大阪/名古屋 公式サイト)
その他
- ASTON MARTIN OWNERS CLUB(アストンマーティンオーナーズクラブ)
- ASTON MARTIN OWNERS CLUB JAPAN (アストン・マーチン・オーナーズ・クラブ・ジャパン)
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テンプレート:自動車テンプレート:Link GA- ↑ 全出荷台数の9割が現役! クルマも職人も大切にするアストンマーティン - MSN産経ニュース 2014年8月5日