小惑星帯

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小惑星帯 小惑星は主として火星軌道と木星軌道の中間に分布する。このほか、木星軌道上の太陽から見て木星に対して前後60度の位置にトロヤ群と呼ばれる小惑星の集まりが存在する。図の単位は光分(左)と天文単位(右)

小惑星帯(しょうわくせいたい、アステロイドベルトasteroid belt)は、太陽系の中で火星木星の間にある小惑星軌道が集中している領域を指す言葉である。ほかの小惑星集中地域に対して、それらが小惑星帯と呼ばれるようになるかもしれないと考えられるようになったころから、区別のためにメインベルト (main belt) とも呼称されている。

起源

多くの天文学者によって同意される一般的な理論では、惑星は太陽系の歴史の最初の100万年の間に、微惑星の累積によって形成されたとされる。微惑星は度重なる衝突によって、我々にとってなじみ深い岩の多い惑星(地球型惑星)と、巨大ガス惑星(木星型惑星)や巨大氷惑星(天王星型惑星)のコアとなった。

しかし、現在小惑星帯と呼ばれるこの地帯では、木星の強い重力によって惑星となる最終段階を阻まれ、微惑星は単一の惑星を形成することができずにそのまま太陽の周りを回り続けた。このことから、小惑星帯は原始の太陽系の名残であると考えることができるが、多くの観測では活発な変化がみられるため、小惑星自体は原始の状態を保っているわけではない。対して、エッジワース・カイパーベルトなどに属する太陽系外縁天体は、太陽系の構成以来ほとんど変化が無いと考えられている。

小惑星帯の環境

一般的なイメージとは違い、小惑星帯の大部分は空である。小惑星は、慎重に狙いをつけずに到達するのはほとんど不可能であるといえるほど広大な規模に散開している。

それでもなお、現在小惑星帯には何十万もの小惑星が発見されており、その総数は数百万もあると推定される。またそれ以外にも1個の準惑星逆行小惑星、何個ものメインベルト彗星彗星・小惑星遷移天体も存在する。小惑星帯にある天体のうちおよそ220個は直径が100kmを超え、中でも最も大きいのはケレスであり、その直径はおよそ1,000kmである。小惑星帯内の全体の質量は2.3 テンプレート:E kgであると見積もられ、それは地球の1/35である。そしてその総量の1/3はケレスによって占められる。

その数の多さは非常に活発な環境形成に役立ち、そのために、小惑星同士の衝突は(天文学の用語としては)頻繁に起こる。衝突は小惑星を新しい小惑星の「族」を形成するような多数の小さい断片にするか、それが低い相対速度で起こるならば2つの小惑星を接合する可能性もある。50億年後には小惑星帯にある小惑星のほとんどは現在のものと同一ではなくなっていると考えられる。

小惑星帯は、SFの中でも科学的正確性より活劇性を重視した作品では、衝突を避けるために特殊な対策をとらねばならないほど濃い存在として描かれる。形成中の原始的な惑星とその輪ならばそのように見えるかもしれないが、小惑星帯はそうではない。実際には、一つの小惑星が無作為な他の小惑星の近くを通るのさえ非常に珍しいほど広大な領域に展開されている。例えば太陽系の外側、小惑星帯の向こう側に送られた多数の宇宙探査機は小惑星帯で問題を起こしたことは一度もない。さらに、小惑星とランデブーする任務を行うためには、非常に精密なターゲティング手法が必要となる。小説2001年宇宙の旅』は、孤独な小惑星と宇宙船の「遭遇」を現実的に描いている。

太陽系外の小惑星帯

太陽以外のいくつもの恒星の周囲に、塵またはデブリからなるベルトが発見されている。ベルトの軌道半径は画像から直接測定するか、ベルトの温度から計算される。

恒星 太陽系からの距離
(光年)
軌道半長径
(天文単位)
エリダヌス座ε星 10.5 35-75
くじら座τ星 11.9 <55
ベガ 25 86-200
けんびきょう座AU星 33 210
HD 69830 41 <1
かに座55番星 41 27-50
がか座β星 63 25-550
うさぎ座ζ星 70 2.5-12.2
HD 107146 88 130
フォーマルハウト 133 25
HD 12039 137 5
HR 4796 A 220 200
HD 141569 320 400
HD 113766 430 0.35-5.8

関連項目

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