Open Database Connectivity
Open Database Connectivity(ODBC)は、RDBMSにアクセスするための共通インタフェース (API)である。
データへのアクセスを統一化することを目的としており、たとえばクライアント/サーバ型ではないMicrosoft Accessの管理するデータベースファイル (MDB)や、そもそもRDBMSではないCSVファイルへのアクセスなども、それに対応するODBCドライバがあれば、他の一般的なデータベースへのアクセスするのと同様な方法で利用することが可能になる。
ODBCは、主にMicrosoft Windows上で利用されることが多いが、Linux,UNIXなどで利用されるケースもある。
概要
従来、データベースアプリケーションは、RDBMSベンダーが製品とともに配布するユーティリティや埋め込みSQLにより開発されてきたが、C言語上のAPIレベルで統一したインターフェイスとしてデータベースに接続するためのAPIをまとめたのが、マイクロソフト社が1992年に発表した「ODBC」である。
その後、ODBC3.0では、X/OpenコンソーシアムとISOで進められていた標準化にあわせることとなり、これは1995年に「SQL/CLI」としてSQL標準の一部となった。
X/OpenとISOが進めていたSQL/CLIは、ODBCの有用性から業界標準となったODBCを標準規格化するための試みであり、それにMicrosoftが同調した形で標準化がなされた経緯がある。そのため、ODBCもしくはSQL/CLIは多くのRDBMSでサポートされており、且つ、ODBCはほとんどの場合でSQL/CLIのスーパーセットとなっている。
建前上は、ODBCを利用することにより、データベースの各ベンダ固有のインターフェイスを抽象化し統一的にアクセスできるようになるはずだが、単純なケースはともかく、実際にはSQLの文法が各ベンダによって方言があるように、接続以外の問題でデータベースごとの仕様(例えばロック)や特性を理解する必要がなくなるわけではない。
近年の状況
最近ではWindowsにおいてもC言語によってODBCを直接利用することは少なくなっており、Visual Basic (VB)などでは、COMとしてVBから直接扱えるADO (ActiveX Data Objects)の下部レイヤーの選択肢の1つとして利用される事が多い。(ADOは、ODBCに代わりOLE DBと呼ばれるプロバイダを選択することでデータベース固有の接続方法を抽象化するが、既存のODBCとの接続のためのラップである「OLE DB Provider for ODBC」を使うこともできる。)
しかし、一方で、SQL Server 2014以降ではOLE DBは今後更新されず、汎用的な接続方法としてはODBCに回帰する方向性も示されている。[1][2]
.NET FrameworkではADOと同じような考え方であるが、マネージド環境となるため、これらのプロバイダは一新されている。ただし、従来のOLE DBも使えるため、OLE DBを経由したODBCへのアクセスは今日でも利用可能ではある。SQLServerは当然としてOracleなどの大手RDBMSベンダは.NET Framework用のプロバイダ、もしくはOLE DBプロバイダを提供しており、あえてODBCを経由しなければならないケースは少ないと考えられる。
Javaでは、かつてはJDBCが扱うデータベース・ドライバとしてType1ドライバ(JDBC-ODBCブリッジ)としてJDBCの下層の物理ドライバに使われており、まだJavaに対応していないデータベースに接続する場合などの手段として使われる場合もあったが、今日では多くのデータベースがJDBCドライバを出しており、ODBCを経由させる必要性はほとんどなくなった。(SQLServerでさえ、JDBCドライバを出している)
このため、JDBC-ODBCブリッジはJava7では非推奨となり、Java8では標準から削除された。[3]
外部リンク
- Microsoft Universal Data Access
- Online definition of CLI at the Open Groups webpage