超階乗
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Clifford Pickover による、自然数 n の超階乗(ちょうかいじょう, superfactorial)の表記法 n $ は、階乗を入れ子に拡張して
- <math>
n\$ = n!\uparrow\uparrow\uparrow 2 = n!\uparrow\uparrow n! ={}^{n!}n! = \underbrace{n!^{n!^{\scriptstyle n!^{{\textstyle\,\cdot}^{{\textstyle\,\cdot}^{{\textstyle\,\cdot\,}^{\scriptstyle n!}}}}}}}_{n!} </math> のように定義される。簡単に言えば、n! の n! 乗を n! 回入れ子にする演算である。上記の式で2つ目及び3つ目の等号は、タワー表記による表記の場合である。
- 例
- <math>\begin{align}
1\$ &={}^{1!}1! ={}^{1}1 = 1,\\ 2\$ &={}^{2!}2! ={}^{2}2 = 2^2\!\!,\\[-9pt] 3\$ &={}^{3!}3! ={}^{6}6 = 6^{6^{6^{6^{6^6}}}}\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!,\\[-54pt] 4\$ &={}^{4!}4! ={}^{24}24 = 24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!\!.
\end{align}</math>
0$、1$、2$
超階乗は通常は巨大な数になるが、0、1、2の超階乗はそれぞれ0$=1$=1、2$=4と小さな値にしかならない。
3$ の下4桁
3$ は、巨大な数とはいえ、その構造は驚くほど単純である。すなわち、幾つかの「6」の掛け合わせに過ぎない。「6」を順次掛けていって、下4桁の数の出現の様子を精査すると、最初から数えて4番目の数から125個の数が循環[1]して現れる。この性質に着目すると、3$ そのものは計算によって全ての桁を求めることは事実上不可能であるが、その下4桁の数が「8656」であることは直ぐに分かる。
5$ の下位桁の数
5$ も 3$ と同じく非常に巨大な数であり、計算によって全ての桁を求めることは事実上不可能であるが、120n = 12n × 10nで示せるため、下位48%あまりの桁が0となる自然数である。
注
- ↑ 一般に任意の整数の下4桁を考えることは、その整数を群 (Z/10000Z)× の元に落として考えるのと等価で、この群の位数は φ(10000) = 10000(1 − テンプレート:Fraction)(1 − テンプレート:Fraction) = 4000 だから、各整数の下4桁に注目したときの循環節の長さは 4000 の約数だが、φ(16) = 8, φ(625) = 500 なので、殆どの整数で循環節の長さは 4000 よりもずっと少ない。