笠置 (空母)
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笠置(かさぎ)は日本海軍の未成航空母艦。雲龍型航空母艦の4番艦(第5004号艦)。艦名は京都府にある笠置山による。
概要
1942年(昭和17年)度策定の改マル5計画により1943年(昭和18年)4月14日、三菱重工業長崎造船所で起工され、1944年(昭和19年)10月19日進水。候補名は乗鞍[1]。
艤装は佐世保海軍工廠で行われたが、戦況の悪化のため物資の調達に苦労し、機関建造が予定通りに進まず、改鈴谷型重巡洋艦の機関を流用し、搭載している。さらに作戦活動に従事する見込みもなくなったことから、1945年(昭和20年)4月1日に工事中止命令が出され、進捗率84%の状態でそのまま放置され終戦を迎えた。
戦後、連合国軍により武装解除が進められたことを受けて、佐世保船舶工業(旧佐世保海軍工廠)によって1946年(昭和21年)9月1日に解体が開始され、翌年12月に完了した。
艤装員長
- 大石保 大佐:1945年1月20日 - 3月5日
同型艦
- 雲龍 - 天城 [III] - 5002 - 葛城 [II] - 笠置 [II] - 5005 - 阿蘇 [II] - 生駒 [II] - 鞍馬 [II] - 5009 - 5010 - 5011 - 5012 - 5013 - 5014 - 5015
脚注
- ↑ 参考文献「片桐大自(1993)、78頁」(項目名:天城)によれば、遠藤昭氏の「世界の艦船」No.129 掲載記事にもとづく候補艦名。
参考文献
- 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』(光人社、1993年) ISBN 4-7698-0386-9
- 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第3巻 空母I』(光人社、1989年) ISBN 4-7698-0453-9
- 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第4巻 空母II』(光人社、1989年) ISBN 4-7698-0454-7