比例式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
比例式(ひれいしき)とは、比あるいは連比に関する等式のことである。
A に対する B の割合が、X に対する Y の割合に等しいとき、
- <math>A:B=X:Y</math>
と書く。すなわち、ある比とある比が等しいとき、このように比と比を等号で結んだものが比例式である。
定義
A : B = X : Y すなわち、二つの比 A : B と X : Y が等しいとは、A に対する B の割合が、X に対する Y の割合に等しいことであると定義すると、これはすなわち
- <math>{A\over B}={X\over Y}</math>
なる分数の等式が成り立つことである。これは
- <math>A:B=X:Y \iff {B\over A}={Y\over X}</math>
あるいは
- <math>A:B=X:Y \iff {A\over X}={B\over Y}</math>
と定義しても同じである。このように定義される比の等式 A : B = X : Y あるいは分数の等式 A / B = X / Y を比例式という。また、連比が等しいとは、
- <math>A_1:A_2:\cdots:A_n = X_1:X_2:\cdots:X_n
\iff {A_1\over X_1}={A_2\over X_2}=\cdots={A_n\over X_n}
</math> と定義され、比の場合と同様に等式
- <math>A_1:A_2:\cdots:A_n = X_1:X_2:\cdots:X_n</math>
または
- <math>{A_1\over X_1}={A_2\over X_2}=\cdots={A_n\over X_n}</math>
のことを比例式とよぶ。
別の表示
比例式
- <math>{A_1\over X_1}={A_2\over X_2}=\cdots={A_n\over X_n}</math>
の値を c とすると
- <math>{A_1\over X_1}= c,\ {A_2\over X_2}= c,\ldots,{A_n\over X_n} = c</math>
が成り立つから、これを連立一次方程式
- <math>\left\{\begin{matrix}
A_1 = cX_1, \\ A_2 = cX_2, \\ \vdots\quad \\ A_n = cX_n.
\end{matrix}\right.</math> の形に表示することができる。
性質
比例式には、次のような性質がある。
- <math>A:B=X:Y \iff B:A=Y:X.</math>
- 外項の積と内項の積が等しい(分数式で考えた場合、たすきに掛けた積が等しい)。
- <math>A:B=X:Y \iff AY=BX.</math>