四環系抗うつ薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
四環系抗うつ薬(よんかんけいこううつやく、英 tetracyclic antidepressant)は、抗うつ薬の種類の一つ。
四環系とは、薬剤の分子構造中に連なった環状構造が4つあることに由来している(三環系抗うつ薬と比較のこと)。
三環系やSSRI、SNRIと比較すると即効性があり、飲み始めてから4日程度で効果が発現する。
三環系と同様に、抗コリン作用による副作用(口渇、排尿困難など)を伴う場合があるが、三環系抗うつ薬に比べて軽いことが特徴とされる。
主な薬剤として
などがある。
薬剤名
「一般名(商品名)」という形式で、具体的薬剤を列挙する。
- 塩酸マプロチリン(ルジオミール®)
- 塩酸ミアンセリン(テトラミド®)
- マレイン酸セチプチリン(テシプール®)
- ミルタザピン(リフレックス®、レメロン®)(化学構造的には四環系だが、添付文書はNaSSAに分類している[2][3])。
問題点
2013年、日本の厚生労働省は、大うつ病性障害に対し、18歳未満に投与しても効果を確認できなかったとして、添付文書を改訂し医師に慎重な投与を求めるよう日本製薬団体連合会に要請した。対象は「リフレックス」「レメロン」、他はSSRIが4製品、SNRIが2製品の計8製品である[4][5]。
脚注
- ↑ シェリング・プラウ『レメロン錠15mg添付文書』2009年7月作成(第1版)、シェリング・プラウ公式サイト(2009年9月9日閲覧)。
- ↑ 添付文書「リフレックス錠15mg」Meiji Seika ファルマ株式会社、2013年3月改訂(第10版)
- ↑ 添付文書「レメロン錠15mg」MSD株式会社、2013年4月改訂(第7版)
- ↑ 「18歳未満「効果確認できず」=抗うつ剤の注意改訂要請—厚労省」The Wall Street Journal 日本語版(時事通信社配信)2013年3月29日。
- ↑ 「SSRIなど抗うつ薬6種類の「使用上の注意」改訂を要請」厚生労働省2013年3月29日。