ユキツバキ
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ユキツバキ(雪椿、学名:Camellia rusticana )は、ツバキ科ツバキ属の常緑低木。別名、オクツバキ、サルイワツバキ、ハイツバキ。主に日本の太平洋側に分布するヤブツバキが、日本の東北地方から北陸地方の日本海側の多雪地帯に適応したものと考えられ、変種、亜種とする見解もある。
特徴
幹の高さは1-2mほどになる。葉は枝に互生し、短い葉柄がある。葉の形は楕円形で先端は尖り、縁はヤブツバキに比べて鋸歯が鋭い。樹形は積雪の関係で地を這う形になる。
花期は4-6月で、花弁は薄く、水平に広く開く。雄蕊の花糸は合着せず、濃橙黄色から黄赤色になる。果実はまれに実り、種子は1-2個ある。
分布と生育環境
本州の東北地方から北陸地方の日本海側に分布し、ブナ帯林の林床などに自生する。エゾユズリハ、ヒメモチ、ヒメアオキ、ツルシキミ、ハイイヌガヤなどの日本海要素の常緑地這植物とともに、ブナ林やコナラ林など落葉樹林の林床にみられる。
このような地域は多雪地帯であり、冬季には三ヶ月にもわたって数メートルの雪に覆われる。その間、ユキツバキは雪に覆われて地表に押しつけられた形で過ごし、春に雪解けが始まるとその姿を現す。すると、倒れていた枝は次第に立ち上がり、花をつける。花期は地域にもよるが四月中旬から下旬。森林下の株では花数が少なく、一枝に複数個をつけることは希だが、林縁部ではより花数が多い株も見られる。
ヤブツバキと近接している地域では、両者の中間型を表すユキバタツバキ(雪端椿、学名:Camellia × intermedia (Tuyama) Nagam.[1])がみられる。
シノニム
- Camellia japonica L. var. rusticana (Honda) Tuyama
- Camellia japonica L. subsp. rusticana (Honda) Kitam.
- Camellia japonica L. var. decumbens Sugim.
出典
参考文献
- 佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本Ⅰ』、1989年、平凡社
- 石沢進監修、(2001),「ユキツバキの生活史」:河野昭一監修『植物の世界 樹木編』、ニュートン:p.46-77.
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)