メッセンジャー (探査機)
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テンプレート:宇宙機 メッセンジャー (MESSENGER; MErcury Surface, Space ENvironment, GEochemistry and Ranging) は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のディスカバリー計画の一環として行われている水星探査ミッション、及び探査機の名前である。
概要
メッセンジャー以前に水星に接近した探査機には1974年から1975年のマリナー10号があるが、表面の僅か45%しか撮影されておらず、水星は太陽系で最も探査が遅れている惑星の一つだった。水星の探査が困難な理由に、太陽から受ける膨大な熱、電磁波による通信障害、水星の公転速度が大きいことなどがあったとされる。
2000年代に入って太陽系形成の理解を深めるため、ようやく水星へと興味が注がれてきた。そして、次々に探査機を水星へ送る計画が立てられた。その1つがメッセンジャーである。
マリナー10号の調査では、水星の物理的な性質以外ほとんど分からなかったため、メッセンジャーでは水星を構成する物質、磁場、地形、大気の成分、などが調査される。
探査機は燃料節約のため数回のスイングバイを行いながら水星に接近する。その結果、地球から水星まで最短距離では約1億kmのところを、79億kmもの軌道を辿ることになる。
日程
- 2004年8月3日:ケープカナベラル空軍基地からデルタIIロケットで打ち上げ。
- 2005年8月2日:地球でスイングバイ。2,347 kmまで接近。
- 2005年12月12日:DSM-1(Deep-Space Maneuver-1:第1回軌道修正噴射)を実施、524 秒間。
- 2006年10月24日:金星でスイングバイ。2,992 kmまで接近。
- 2007年6月5日:金星でスイングバイ。338 kmまで接近。
- 2007年10月17日:DSM-2 を実施。
- 2008年1月14日:水星でスイングバイ。200 kmまで接近。その後 DSM-3 を実施。
- 2008年10月6日:水星でスイングバイ。200 kmまで接近。その後 DSM-4 を実施。
- 2009年9月29日:水星でスイングバイ。200 kmまで接近。その後 DSM-5 を実施。
- 2010年11月:ボイジャー1号以来21年ぶりに太陽系家族写真を撮影。
- 2011年3月18日:水星周回軌道に投入(約200km×15,200km 軌道傾斜角82.5度の軌道)。その後約1年間観測を行う計画だった。
- 2011年11月14日:予定していた2012年3月17日までの観測運用を1年間延長することを発表[1]。
- 2013年12月に、ミッションを2015年3月までさらに延長することを決定[2]。
- 2014年4月20日に、水星での3,000周目を迎えた。6月17日まで近水点を下げ続け、高度約120kmまで接近させる[3]。
- 2014年7月25日に、初めて高度を100kmにまで下げた。8月19日には高度50kmへ、9月12日には高度25kmまで降りる予定で、25kmまで高度を下げた後は94kmまで高度を上げる予定。その後も何度か近水点高度を上げることにより、水星表面へ落下するのを2015年3月以降まで延ばす予定[4]。
探査機器
- 水星撮像システム
- ガンマ線・中性子スペクトロメータ
- X線スペクトロメータ
- 磁力計
- 水星レーザ高度計
- 水星大気・表面組成スペクトロメータ
- エネルギー粒子・プラズマスペクトロメータ
- 電波科学実験
- など