プレタポルテ
プレタポルテ(テンプレート:Lang-fr)とは、既製服、とりわけ「高級既製服」を意味する言葉。
語義
フランス語でprêt(プレ)は「用意が出来ている」、porter(ポルテ)は「着る」という意味であり、à(ア)は不定詞を導く前置詞である。英語に直訳すると ready to wear、あるいは、ready to carry にあたり、「そのまま着られる」「そのまま持ち帰られる」とも訳せる。
概要
オートクチュール(高級注文服、高級オーダーメイド服)は、限られた個人客からの注文を受け、一点一点手作業で制作した服を顧客に渡すという流れであるが、プレタポルテ(高級既製服)は、基本的には卸売から大量受注して小売する流れとなる。
「プレタポルテ」以前の既製服は、既製品という意味を持つコンフェクションやレディ・メイドと呼ばれていたが、これらの言葉が大量生産された粗悪な安物、というニュアンスを持っていたため、それらと区別するために「プレタポルテ」という言葉が生まれた。そのため、日本語では「プレタポルテ」をそのまま「既製服」と訳さず、高級既製服と訳されることが多い。
プレタポルテ・コレクション
世界最大の高級既製服展示会(プレタポルテ・コレクション)であるパリ・コレクション(パリコレ)は、高級注文服展示会から派生し、1960年代から開かれるようになった。パリ・プレタポルテ・コレクションでは、日本人を含む、フランス国外のデザイナーも大勢活躍している。オートクチュール・コレクションよりもプレタポルテ・コレクションの方が規模が大きいため、今ではパリコレといえば、プレタポルテ・コレクションを指す場合が多い。
5大コレクションと言われる規模の大きい展示会で、パリ以外の、ロンドン・コレクション、ミラノ・コレクション、ニューヨーク・コレクション、東京コレクションの4者は、いずれもプレタポルテ・コレクションである。
現在ではオートクチュールのブランドのほとんどが、プレタポルテも手がけている。
参考文献
- 『パリ・モードの200年~18世紀後半から第二次大戦まで~』南静(みなみ しずか)著(1975年5月20日、文化出版局)[1]
- 『パリ・モードの200年②~第二次大戦後から現代まで~』南静著(1990年11月5日、文化出版局)[2]
- 『ファッション辞典』大沼淳・荻村昭典・深井晃子監修、文化出版局・文化女子大学教科書出版部編(1999年、文化出版局)