トロコイド
トロコイド (trochoid) とは、円をある曲線(円や直線はその特殊な場合)にそってすべらないように転がしたとき、その円の内部または外部の定点が描く曲線[1]。この記事ではトロコイドと併せて外トロコイドと内トロコイドについても解説する。
トロコイド
動円の半径を rm、回転角を θ、描画点の半径を rd とすると、トロコイドの媒介変数表示は
- <math>\begin{cases}
x=r_m\theta - r_d\sin\theta,\\ y=r_m - r_d\cos\theta, \end{cases}</math>
によって表される曲線である。余擺線(よはいせん)ともよばれる。
rm<rdのとき、1回の回転でx軸と2回交わる。 rm=rdのとき、1回の回転でx軸と1回接し、曲線はサイクロイドとなる。 rm>rdのとき、x軸と交わらない。
外トロコイド
定円の半径を rc、動円の半径を rm、回転角を θ、描画点の半径を rd とすると、外トロコイドの媒介変数表示は
- <math>\begin{cases}
x=(r_c + r_m)\cos \theta - r_d\cos \left(\cfrac{r_c + r_m}{r_m}\theta \right),\\ y=(r_c + r_m)\sin \theta - r_d\sin \left(\cfrac{r_c + r_m}{r_m}\theta \right), \end{cases}</math> によって表される曲線である。エピトロコイド(Epitrochoid) とも呼ばれる。rd=rmのとき外サイクロイドとなる。
内トロコイド
定円の半径を rc、動円の半径を rm、回転角を θ、描画点の半径を rd とすると、内トロコイドの媒介変数表示は
- <math>\begin{cases}
x=(r_c - r_m)\cos \theta + r_d\cos \left(\cfrac{r_c - r_m}{r_m}\theta \right),\\ y=(r_c - r_m)\sin \theta - r_d\sin \left(\cfrac{r_c - r_m}{r_m}\theta \right), \end{cases}</math> によって表される曲線である。ハイポトロコイド(Hypotrochoid) とも呼ばれる。rd=rmのとき内サイクロイドとなる。また特にrc=2rmのとき、描画点の軌跡は楕円を描く。