ジンジャーエール
ジンジャーエール(ginger ale)とはジンジャー(ショウガ)などの香りと味をつけ、カラメルで着色したノンアルコールの炭酸飲料である。味はショウガ独特の辛みがある。シャンパン等の食前酒代りとして食前にそのまま飲まれるほか、カクテルの材料としても使われる。
歴史
1890年、カナダ人ジョン・J・マックローリンがトロントで生姜汁にフルーツジュースやフレーバーエキスを混ぜた飲料を製造し、ドラッグストアで売り出したのが始まり。
改良を重ね1904年にはカナダドライ・ペール・ジンジャーエール製法が完成し、カナダドライ・ジンジャーエールを発売。数年後、社名をカナダドライに改める。
1923年、会社がマックローリン家からP・D・セイラー・アンド・アソシエイツの手に移る。
1936年、ペルーでライセンス生産が始まる。この後多くの国へ波及していく。
日本国内の状況
日本国内ではコカ・コーラ社やアサヒ飲料など数社から発売されているが、カナダドライ(コカ・コーラ社)とウィルキンソン(アサヒ飲料)が有名なブランドである。商標はカナダドライが「ジンジャーエール」で、ウィルキンソンは「ジンジャエール」を用いている。
日本でも、大正時代に既に、兵庫県にあったウヰルキンソン・タンサン社(現在の表記ではウィルキンソン)がジンジャーエールの製造を行っており、1966年には朝日麦酒(現・アサヒビール)によりウヰルキンソンブランドのジンジャーエール(同ブランドではジンジャエールと表記)が全国で売り出された。1970年代には、東京カナダドライ社(現・東京カルピスビバレッジ)が米国カナダドライ社からライセンスを取得したのを皮切りに、海外ブランドの販売も始まった。コカ・コーラ社からも1982年頃、サンティバ(SANTIBA)という名のジンジャエールが発売された事がある。
カナダドライのジンジャーエールは甘みが強い飲み物で、ショウガ特有の辛味は薄く、ビールのような風味がする。また最近はペリーラ、ライム、オレンジフィズ、クラシックなど期間限定のものなども発売されている。
ウィルキンソンのジンジャエールは辛味が強く、ジンジャービアのようなショウガの風味を強く残している。ウィルキンソンブランドには、辛みが少ないドライも存在する(“ドライ”という言葉の響きで間違える人も多いが、「ジンジャエール=(英国風の)ハードな辛口」「ドライジンジャエール=(北米風の)ソフトな甘口」となっている)。
ジンジャーエールを用いるカクテル
ジンジャービア
カナダでジンジャーエールが発明される以前からイギリスで作られてきた飲料でジンジャーエールのルーツ、原型とも言える。ジンジャーと糖分を発酵させて作られる。ウィルキンソンのジンジャーエールをさらに甘辛く濃厚にしたような味で、ジンジャーの刺激が強くクセのある味が特徴。市販もされているが、イギリスなどでは各家庭で自家製のものを作るのが一般的である。
例として1.5L分の作り方を挙げる。まず1.5Lの炭酸用の空のペットボトルに温めた浄水を同量注ぎ、ドライイーストを小さじ1/2、砂糖を150g入れ、よく混ぜる。その後皮をむきすりおろしたしょうがを大さじで2~3、レモン果汁1個分、好みでとうがらしを1つ加え常温で日差しのある場所に置く。すると半日から1日で中で発酵が進み、炭酸ガスが発生して微炭酸のジンジャービアができあがる。ペットボトルが指で押せないほど硬くなった時点で完成である。それ以上置くとペットボトル自体がガス圧に耐えられず破裂するので注意。できあがったジンジャービアにはおろししょうがが混じっているので布や茶こしで中身をいったん全部こしてから再度ペットボトルで保存し、冷蔵庫で冷やして飲むほうがおいしい。
関連項目
外部リンク
- テンプレート:PDFlink(2004年、ジンジャーエールの歴史が紹介されている)
- The Archive of Softdrinks