オズマ計画
オズマ計画(英語:Project Ozma)は、1960年に天文学者フランク・ドレイクが当時所属していたウェストバージニア州グリーンバンクのアメリカ国立電波天文台で始めた地球外知的生命体探査の初めての取組みである。電波を使って、別の恒星系の生命の痕跡を探すことを目的としていた。この計画はライマン・フランク・ボームの『オズのエメラルドの都』に登場し、オズと電波で連絡を取りあおうとしたオズマ姫にちなんでオズマ計画と名付けられた[1]。
ドレイクは口径26mの電波望遠鏡を用いて1.420GHzのマーカー周波数(波長21cm)でくじら座タウ星とエリダヌス座イプシロン星を観測した[1]。両方とも太陽程度の大きさで、当時は生命の住む惑星を持つ可能性があると考えられていた。マーカー周波数の付近に100Hzごとに走査した結果、400kHz幅のバンドが検出された。この情報はオフラインの分析のためにテープに保存された。しかし4ヶ月間に150時間に及ぶ断続的な観測でも、はっきりとしたシグナルは観測されなかった。1960年4月8日に偽の信号が検出されたが、後に高速で飛行する航空機によるものだったことが確認された[2]。
受信機は、恒星間の水素から自然に放出される波長である21cmの波長に合わせられた。これは、恒星間無線通信を行おうとする者にとっては誰でも馴染みのある波長で、一種の宇宙の標準というべきものだと考えられた[3]。
オズマIIと呼ばれる2度目の実験が同じ天文台でベンジャミン・ザックマンとパトリック・パルマーによって行われた。彼らは1973年から1976年の約4年間で、近傍の恒星650個以上を断続的に観測した。
2010年には、オズマ計画50周年記念・世界合同SETI、ドロシー計画が実施された。