みどり (人工衛星)
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みどりは日本の地球観測プラットフォーム技術衛星(Advanced Earth Observing Satellite、略称:ADEOS)で、1996年(平成8年)8月17日10時53分に種子島宇宙センターよりH-IIロケット4号機で打ち上げられた。
みどりは、地球温暖化、オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、異常気象の発生等の環境変化に対応した観測データを取得するとともに、次世代観測システムに必要なデータ収集、軌道間データ中継技術等の開発を行うことを目的とした衛星である。
多くの新規技術が取り入れられており、運用による成果が期待されたが、打ち上げ後約6ヶ月で太陽電池パドルの破断により機能を停止。運用が断念された。
「みどり」の主要装備
日本の観測装置
- OCTS 海色海温走査放射計
- 海洋の水色及び水温を高頻度、高感度で観測する装置。NASDA (宇宙開発事業団)が開発。
- AVNIR 高性能可視近赤外放射計
- 高分解能で陸域、沿岸域を観測する装置。NASDAが開発。
- IMG 温室効果気体センサ
- 大気中の温室効果ガスの分布の測定を行う装置。通商産業省が開発。
- ILAS 改良型大気周縁赤外分光計
- 極域における大気の微量成分の高度分布の測定を行う装置。環境庁が開発。
- RIS 地上・衛星間レーザ長光路吸収測定用リトロリフレクタ
- 地上極上空のオゾン、フロン、二酸化炭素等の濃度測定を行う装置。環境庁が開発。
アメリカの観測装置
- NSCAT 散乱計
- 海上風の風向、風速の測定を行う装置。NASA (アメリカ航空宇宙局)らが開発。
- TOMS オゾン全量分光計
- オゾン量及び二酸化硫黄の分布の測定を行う装置。NASA らが開発。
フランスの観測装置
- POLDER 地表反射光観測装置
- 地球表面や大気で反射される太陽光の測定を行う装置。フランス国立宇宙開発センターが開発。