タルト (洋菓子)
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タルト(tarte)とは、菓子の一種。
「焼き菓子」に相当するラテン語「tōrta」に由来する(詳しくは「トルテ」の項目を参照のこと)。「タルト(tarte)」という語自体はフランス語である(「トルテ(Torte)」はドイツ語)。
概要
パイ生地(あるいはビスケット状の生地)で作った器の上に、クリーム・果物等を盛りつけた菓子がそう呼ばれているが、正確にはタルト生地(パートシュクレ:Pâte sucrée)というものが存在し、これを使ったものを指す。
古代ローマ時代のトールタ tōrtaというお菓子に由来しており、さらにそのルーツは古代ギリシアやエジプトにあるといわれている。ジャムやクリームはそのままではゲル状で食べにくいため、食べられる器に入れて出そうとしたのが始まりである。
ヨーロッパでは、上にパイ生地が被せられ中のリンゴが煮込まれてジャムに近いような形状になっている、いわゆるアップルパイの事も『リンゴのタルト』という名称で呼ばれている場合が多い。ショートケーキやモンブランに使われるスポンジケーキを排し、代わりにこの生地を使用したものも散見される。
一般的にはタルトというとこれらの事を指すが、愛媛県出身者の多くは“タルト”と言えば郷土菓子の「タルト」を思い浮かべる。しかし、これは薄く焼いた(もしくはスライスした)カステラ生地に餡をはさみ巻いて作るロールケーキ状の和菓子で、洋菓子のタルトとは別のものである。なお、この郷土菓子のタルトも、語源としては洋菓子のタルトと同じとされている。
- Akashi City Museum of Culture Hyogo pref Japan13s.jpg
リンゴのタルト(カット)
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ストロベリー・マスカルポーネ タルト
- Tarte à la mirabelle - 20050831.jpeg
プラム タルト
- Tarte aux cerises avant cuisson - 20040323.jpeg
チェリー タルト (焼く前)
- Tarte aux cerises - 20040323.jpeg
チェリー タルト (焼いた後)
タルト生地(パートシュクレ Pâte sucrée)の作り方
- ボウルにバターを入れクリーム状になるまでよく混ぜる。
- ふるった砂糖を2~3回に分けて加え、空気をいれるようにしてすり混ぜる。
- 溶きほぐした卵黄を少しずつ加えながら混ぜ合わせ、バニラを加える。
- さらに薄力粉を加え、ひとかたまりになるまで練らないようにして混ぜる。
- 全体が均一に混ざれば、軽く打ち粉をした台に乗せ、麺棒を軽く転がすようにして生地を伸ばす。
- 2~3ミリの厚さに生地が伸びたら、麺棒に巻きつけて、タルト型の上にのせる。
- 麺棒を回しながら生地を型の上にかぶせ、指で押さえて生地を型になじませる。
- 麺棒を型の上で転がし、余分な生地を切り取る。
- 生地の底にフォークで穴を沢山あけ、生地が膨らむのを防ぐ。
- 生地の上にアルミ箔を敷き、重石をして180℃のオーブンで15分焼き、重石をとってさらに10分焼く。