遷宮
テンプレート:Sidebar with heading backgrounds 遷宮(せんぐう)とは、神社の本殿の造営または修理の際に、神体を従前とは異なる本殿に移すことである。
概要
本殿が従前とは異なる境内に新築移転したり、同じ境内で別の位置に新築移転したりする際のほか、本殿の修理や新築の際に一時的に神体を移動する場合にも遷宮という。たいてい祭礼を伴う。
定期的な遷宮を式年遷宮(しきねんせんぐう)と言う。「式年」とは「定められた年」の意。単に「式年遷宮」という時、伊勢神宮(三重県伊勢市)の神宮式年遷宮を指すことが多い。式年遷宮は式年祭の一種といわれる。社殿を建て替えるだけでなく、氏子の信仰心を再確認する意味がある[1]。
予定通りの遷宮を正遷宮、天災・人災により予定外の本殿の修繕・建て替えが必要になった場合に仮の建物に移す遷宮を仮殿遷宮、予定外に本殿を新たに建てた上で正遷宮と同様の儀式を行ない移す遷宮を臨時遷宮と区別する場合がある。
- 遷座
なお、本殿を造営・修理することなく、神体を遷すことを遷座(せんざ)といい、仏(本尊)を他の場所に移転する場合にも用いる言葉である。また、天皇についても用いることがある[2]。
古材は、宇治橋 (伊勢市)の鳥居のように伊勢神宮内で使われたり、戦災や災害の被災神社の再建・復興に使われ、熱田神宮では、社殿は伊勢神宮の式年遷宮の際の古用材を譲り受け、1955年(昭和30年)10月に再建され、皇學館大学の櫻井治男教授によると、2013年の伊勢神宮の式年遷宮の古材も東日本大震災で津波に流された東北地方の神社社殿復興に使われる予定[3]。
式年遷宮を行っている神社の例
式年遷宮の周期はそれぞれの神社で異なる[1]。
- 鹽竈神社(宮城県塩竈市。20年毎。1704年以降は修理のみ)
- 穂高神社(長野県安曇野市。20年毎。現制は江戸時代から)
- 香良洲神社(三重県津市。20年毎)[4]
- 伊勢神宮(三重県伊勢市。20年毎。690年から) - 「神宮式年遷宮」参照
- 神明神社(三重県志摩市。20年毎。1764年から)
- テンプレート:要出典範囲
- 住吉大社(大阪市住吉区。30年毎。1810年以降は修理のみ)
かつては香取神宮・鹿島神宮・宇佐神宮・春日大社・諏訪大社(⇒御柱祭)などでも行われた。
また、出雲大社は概ね60〜70年毎に建て替えられてきた[5]が、必ずしも定期的ではないので「式年遷宮」に該当しない[6]。
脚注
関連項目
- 季節遷座(遷座の例)
外部リンク
- 伊勢神宮式年遷宮 広報本部(公式ウェブサイト)
- シリーズ遷宮 第1回 伊勢神宮~アマテラスの謎~
- シリーズ遷宮 第2回 出雲大社~オオクニヌシの謎~
- 二つの遷宮 伊勢と出雲のミステリー
- 伊勢/式年遷宮──古代建築と反復の神話学 - 10+1