コジュケイ
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コジュケイ(小綬鶏[1]、Bambusicola thoracicus)は、鳥綱キジ目キジ科コジュケイ属に分類される鳥類。
分布
- B. t. thoracicus コジュケイ
- 中華人民共和国南部[1][2][3]
- 日本(本州<北陸地方以北を除く>、四国、九州)に移入・定着[1][2][3]
- B. t. sonorivox テッケイ
- 台湾[1][2][3]
- 日本(神戸市周辺)に移入・定着[1][2]
形態
全長は27センチメートル[1][2]。和名はジュケイに似ているが、より小型であることに由来する[1]。額から眼上部にかけて灰色の眉状の筋模様(眉斑)が入る[3]。背に暗褐色や灰色の虫食い状の斑紋が入る[3]。下面の羽衣は黄褐色で、胸部に赤褐色の斑紋が入る[3]。尾羽は濃赤褐色[3]。
卵は長径3.5センチメートル、短径2.6センチメートル[3]。
- B. t. thoracicus コジュケイ
- 前頸から胸部にかけての羽衣は灰色[3]。喉から頬、頸部側面の羽衣が赤褐色[3]。背の羽衣が暗黄色[3]。
- B. t. sonorivox テッケイ
- 顔から前頸にかけての羽衣は灰色[3]。喉の羽衣が赤褐色[3]。背の羽衣が赤褐色[3]。
分類
- Bambusicola thoracicus thoracicus (Temminck, 1815) コジュケイ
- Bambusicola thoracicus sonorivox Gould タイワンコジュケイ、テッケイ
生態
基亜種は標高1,000メートル以下、亜種テッケイは標高300-1,200メートルの草原、森林、竹林、農耕地などに生息する[3]。秋季から翌年の春季にかけて小規模な群れを形成する[2]。鳴き声を日本語に置き換えた表現(聞きなし)として「ちょっと来い」がある。
繁殖形態は卵生。年に2回繁殖する[2]。4-6月で地面の窪みに枯れ草を敷いた巣に、7-8個の卵を産む[3]。メスのみが抱卵し、抱卵期間は17-19日[2][3]。雛は孵化直後に巣立つ[2]。雌雄共に育雛を行う[2]。生後1年で成熟する[2]。
人間との関係
日本にはペットとして移入された[3]。狩猟用に基亜種が1919年に東京都や神奈川県で(1915年には既に脱走していたとされる[3])、亜種テッケイが1933年に埼玉県や兵庫県で放鳥された[1]。
参考文献
関連項目
参考文献
テンプレート:Bird-stub- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社、2008年、162頁。
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥類I』、平凡社、1986年、184頁。
- ↑ 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 3.12 3.13 3.14 3.15 3.16 3.17 3.18 3.19 3.20 3.21 3.22 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育10-I (キジ目)』、東京動物園協会、1987年、96、176頁。