裏声
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日本語の裏声(うらごえ)とは、地声から裏返った(換声点を越えた)声のこと。発声法の一種であるファルセットと同じ意味で用いられることが多い。
また、「調子はずれな声」「三味線などの調子を離れて(低く)歌う声」等の意味もあるが頻出はしない。
人間は発声する際に声門閉鎖の強さと声帯の伸展状態を変えることで任意の高さの音を出す。裏声と呼ばれるのは主に、声門の閉鎖が弱く伸展主体で音高調節するときの声である(一説では声帯の倍振動によって通常より1オクターブ高い音が出る)。日本の「裏声」は男性特有のものとみなされることがあるが、これもファルセットと共通している。声楽において女声が主に用いる美しく響く裏声は頭声と呼ばれる。この頭声に対して裏声という場合は更に限定された意味になる。裏声(ファルセット)に頭声を含むか、あるいは逆に頭声に裏声を含むかは流儀によるところが大きい。