プラド美術館
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テンプレート:博物館 プラド美術館(プラドびじゅつかん、Museo del Prado)は、スペインのマドリードにある、世界でも有数の規模と内容をもつ美術館。15世紀以来の歴代のスペイン王家のコレクションを展示する美術館である。
概要
建物は1785年にカルロス3世が自然科学に関する博物館を作るためにフアン・デ・ビジャヌエバに設計させたものである。しかし博物館として使われることはなく、カルロス3世の孫のフェルナンド7世 (スペイン王)が妻マリア・イサベル・デ・ブラガンサの進言を受けて美術館とした。
コレクションの基礎はフェリペ2世とフェリペ4世が築いた。1819年に「王立美術館」として開館。1868年の革命後「プラド美術館」と改称された。現在文化省所管の国立美術館。ベラスケス、ゴヤなどのスペイン絵画が質量ともに充実しており、フランドル、イタリアなどの外国絵画も充実している。それはスペイン王室のコレクションにフランドル絵画が多数加えられた16世紀から17世紀にかけて、フランドルはスペイン王室の領土であった(ネーデルラント17州、南ネーデルラントを参照)ためで、たとえばルーベンスが仕えたのもハプスブルク家のネーデルラント総督であったスペイン王女イサベルであった。
コレクション
プラド美術館には約7,600枚の油彩画、約1,000の彫刻、約4,800枚の版画、約8,200枚の素描、多くの美術史に関する書類が収められている。2012年の時点で約1300点が展示されており、約3,100点は他の美術館や研究所へ貸与されている。その他の作品は保管されている。[1]
- ベラスケス - 『女官たち(ラス・メニーナス)』(1656)
- ベラスケス - 『ブレダの開城』(1634-35)
- ベラスケス - 『マルガリータ王女』(1660)
- ゴヤ - 『裸のマハ』(1797-1800)
- ゴヤ - 『着衣のマハ』(1797-1803)
- ボス - 『快楽の園』(1503-04)
- デューラー - 『アダムとイヴ』(1507)
- エル・グレコ - 多数
- バルトロメ・エステバン・ムリーリョ - 多数
その他
- ソフィア王妃芸術センター かつてプラド美術館別館に収蔵されていたピカソの『ゲルニカ』などが展示されている。プラド美術館から徒歩圏内。