計器用変圧器

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計器用変圧器(けいきようへんあつき, VT, Voltage Transformer)は、交流電圧の測定範囲拡大に使われる計器用変成器で、高圧回路に使用される。日本において変圧器という場合は主に電力用変圧器のことを指すため、特に計器用変圧器と呼ぶ。かつてはPT(Potential Transformer) とも呼ばれていた。

概要

高圧電圧を、制御回路に使用しやすい電圧(主にAC110V)に降圧させ、電圧計等の計器や保護継電器を動作させるために使用するものである。

電力用変圧器との差は、測定誤差を小さくするために巻線の電気抵抗や磁束の漏れを小さくしていることと、二次側に電流をあまり流す必要がないので小容量であることである。

変圧比

変圧比は、一次電圧と二次電圧の比である。変圧比を K 、一次巻線・二次巻線の巻数をそれぞれ N1N2 、一次電圧・二次電圧をそれぞれ V1V2 とすると次のようになる。

<math>K = \frac{N_1}{N_2}</math>
<math>\frac{V_1}{V_2} = \frac{N_1}{N_2}</math>
<math>V_1 = K V_2</math>

取り扱いの注意点

二次側出力端子を短絡してはならない。二次端子が短絡状態になると、端子間に大電流が流れ、巻線の過熱・焼損、二次側に接続された計器の破損を起こす危険があるためである。

また、普段から絶縁物表面などの点検や電磁的ノイズの測定を行い、絶縁破壊の兆候を見逃さないようにしなければならない。

構造

絶縁の種類

  • エポキシモールド形
  • 油入り式

コンデンサ形計器用変圧器

コンデンサ形計器用変圧器(CVT:Capacitor Voltage Transformer、PD:Potential Deviceとも呼ばれる)は、コンデンサ分圧の原理を利用し、一次電圧を二次側に必要な低電圧に変成する。

超高電圧の系統においては、電磁形は絶縁の面から製作が困難であり、またVCT自体が進相コンデンサとしても機能することからよく用いられているが、近年はガス絶縁開閉装置(GIS)の普及により、これに接続するガス絶縁の電磁型VTが用いられる場合がある。

関連項目