東トルキスタンイスラム運動
東トルキスタン・イスラム運動(ひがしトルキスタンイスラムうんどう、Eastern Turkistan Islamic Movement、略称ETIM)は、東トルキスタンの中華人民共和国からの分離独立を目指す運動組織である。中国当局に逮捕された後に国外へ逃亡した最高指導者ハッサン・マフスームが,アブドゥカディル・ヤプケンとともに1997年に設立し,組織名を「トルキスタン・イスラム党」(TIP)としたが、中国政府は2003年12月にTIPをETIMとしてテロ組織に指定した[1]。また、米国政府と国際連合も「テロリスト集団」として指定している。[2][3]。 ちなみに、東トルキスタンとは現在、中華人民共和国が支配している新疆ウイグル自治区を指す。
2002年8月に米国の駐キルギス大使館に対するテロ計画発覚し、同年9月11日、国際連合によって「テロ組織」とされた。
マフスームは2003年10月2日、パキスタン領内のアフガニスタン国境近くでアルカーイダ掃討作戦中のパキスタン軍によって殺害された[4]。
近年の動向
2005年7月、トルコでの集会で北京オリンピックと上海国際博覧会の阻止を表明。
2005年9月、天山獅子隊が戦闘宣言を発する[3]。
2007年1月5日、中国公安当局がETIMの訓練キャンプを攻撃。18名を殺害し17名を拘束と発表(同月8日)。
2008年7月21日に雲南省昆明市内で複数のバスを爆破し、乗客2人が死亡した「テロ事件」の実行犯である「トルキスタン・イスラーム党」と名乗る組織はETIMと同一の組織であると見られており[5][6]、日本の外務省もETIMの別名であるとしている[3]。
2011年7月30日から31日にかけてカシュガル市で発生した連続殺傷事件について、中国治安当局は犯人グループをETIMのキャンプで訓練を受けたイスラム教過激派集団であると断定しているが、当局の説明を裏付ける証拠は挙げられていない。ただし同年8月末頃にトルキスタン・イスラーム党を名乗る組織が犯行声明を出している[7]。
2013年10月28日に天安門前に自動車が侵入し、群集を巻き込んだ後炎上した。この事件で男性観光客1人を含む五人が死亡、日本人を含む38人が重軽傷を負う事件が発生した[8]。中国当局は車内で死亡した3人のほか容疑者のウイグル族5人を拘束した[9]。また、中国当局は、この事件が東トルキスタン・イスラム運動の指示があったとし、摘発を強化すると発表したが[10]、詳しい根拠については明らかにされていない。