シャドーロール
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シャドーロール(shadow roll)は、ウマの鼻梁に装着し、下方の視界を遮るために使用する矯正用の馬具。多くは羊毛かアクリルで作られ、頭絡の鼻革にかぶせて用いる。サラブレッド等の競走馬に使われて目にする場合が多いが、スタンダードブレッド等の馬術用のウマにも用いられる。
元来はウマが自らの影に驚くことを防ぐために作られたものだが、特に競走馬の場合には、これ以外にも遮られた下方の視界を得るため頭を下げることを利用し、マルタンガールなどと同じく、頭の高い競走馬の走法矯正や首の上下動を利用した身体全体を使った走法への矯正効果が見られることが知られている。
日本の競馬界では以前はメンコ、ブリンカーなどの矯正具と比べるとあまり知られていなかったが、歴史的には1969年、欧州遠征をおこなったスピードシンボリがシャドーロールを装着していることが記録映画[1]からうかがえる。1990年代中頃、ナリタブライアンが使用して三冠を達成するなど有力馬の着用があったため一時期大流行した。効果には個体差があったり、慣れると効果が薄れるため現在では流行という意味では下火である。
なお、シャドーロールを鼻革ではなく額革に装着する場合があり、その場合はブロウバンドと呼ぶ。