恒等式
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恒等式(こうとうしき、<em lang="en">identity</em>)とは、等式すなわち等号 (=) を含む数式であって、そこに現れるあらゆる変数がどのような値にあっても、常に等号で結ばれた左右二つの数式の "値" が等しいもののことを言う。
重要な恒等式の中には、公式と呼ばれて知られているものも多く存在する。オイラーの公式などはその一例である。
例
- 次の式は x, y について恒等式である。
- <math> x^2+2xy+y^2=(x+y)^2.</math>
- (1) が(少なくとも 3 つの値をとるような変数)x について恒等式であるとき、(2) が成立する
- <math> ax^2+bx+c = 0</math> … (1),
- <math> a=b=c=0</math> … (2).
- 三角関数は次のような恒等式で結ばれている。
- <math>\sin^2(x) + \cos^2(x) = 1,</math>
- <math>\tan(x) = \sin(x)/\cos(x).</math>
- 1 = 1 はあらゆる変数に関する恒等式である。
- 数の 2 は恒等式 2 = 1 + 1 によって定義される自然数である。ただし、右辺は「自然数 1 の次の数(後継 successor)である自然数」の意。