お化け暦
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テンプレート:出典の明記 お化け暦(おばけごよみ)とは、明治以降、民間で違法に発行された暦のことである。
1873年(明治6年)の太陽暦採用以後、政府が発行する官暦である本暦では一切の迷信的な暦注を掲載しなくなり、明治末年には旧暦の記載も中止された。しかし、一般庶民の間では吉凶付きの暦注や旧暦に対する要求が高かった。
そこで、吉凶判断などを記載した偽暦(ぎれき)が、官憲の追及を逃れて神出鬼没的に多数出版され、これらの暦は「お化け暦」と呼ばれるようになった。お化け暦には、従来の暦にあった暦注のほか、六曜、三隣亡、九星などの、それまで暦に掲載されたことのない暦注が記載されるようになった。
1945年(昭和20年)以降、暦類は一般の出版物と同じように自由に編集出版が行えるようになり、「お化け暦」はなくなった。