札幌市交通局D1040形気動車
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札幌市交通局D1040形気動車(あるいは“D1040形内燃動車”)とは、1964年に登場した札幌市電の路面ディーゼルカーである。
概要
1964年(昭和39年)11月に鉄北線増発用として、D1041、D1042号の2両が東急車輛で製造された。
床下に置かれた水平シリンダー式直列6気筒水冷エンジン、液体式2速自動変速機、2軸駆動の空気ばね台車など、走り装置はD1030形のものを踏襲している。
330形以来の札幌スタイルの集大成とも言える、A820形と同様の、曲面を多用した美しい車体で登場した。前照灯は腰部に2灯となり、前面ベンチレーターは方向幕上に移動された。側窓は大きな固定窓の上部に内開きの換気用子窓を持ち、中扉は1400 mm の両開きである。
室内では、大きな窓のため、きちんとした背もたれが設けられず、掛け心地が犠牲となった座席もA820形譲りである。照明カバーは電車に用いられているかまぼこ型グローブでは無く、下側のみに乳白色のアクリル板を渡し、側面からは蛍光管が見える、開放型となっている。
警笛が空気笛ではなく、デュアルトーン(和音)の電気笛である点も従来形気動車同様である。
鉄北線北部区間の電化に伴って、全車1971年(昭和46年)10月に廃車された。電車化される事無く、短命な車両であった。
英国、モダントラムウェイ誌の札幌市電特集では、世界的にも類を見ない路面ディーゼルカー(同誌)という存在から、新琴似駅前に停車中の姿がその表紙を飾っている。
保存車
D1041号が札幌市交通資料館に保存されている。
主要諸元
- 全長:13,100mm
- 全幅:2,230mm
- 全高:3,210mm
- 自重:14.5t
- 定員:90人
- 出力:130ps
- 台車型式:東急車輛TS-115