シルヴィア・プラス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シルヴィア・プラス(Sylvia Plath, 1932年10月27日 - 1963年2月11日)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン出身の女性詩人・作家。
来歴
ドイツ系の大学教授の父親とオーストリア系2世の母を持つ裕福な家庭に育つ。8歳でボストン・ヘラルド紙に詩が掲載されるなど、早くから創作活動を行う。
1950年、スミス・カレッジに進学するが、双極性障害に悩まされ、在学中に自殺未遂を起こしている。学業を一時中断して入院生活を送るが、回復した後に大学を卒業。
フルブライト奨学金を得て渡英しケンブリッジ大学に入学。留学中に出会った詩人テッド・ヒューズと1956年に結婚し、二人の子供に恵まれた。1960年に初めての詩集を発表。しかし、流産、夫との不和、創作の行き詰まり、経済的な問題などで苦しむ。1963年には半自伝小説『ベル・ジャー』を発表するが、文壇からの反応は薄かった。
1963年2月11日、2人の子供が寝ているさなか、オーブンに頭を突っ込んで自殺する[1]。30歳没。
死後、『エアリアル』などの複数の作品集が発表され、文壇および大衆から広く支持される。1982年、没後29年たってからピューリッツァー賞を受賞。2003年には彼女の一生が『シルヴィア』という題名で映画化された。グウィネス・パルトローがシルヴィアを、ダニエル・クレイグがテッド・ヒューズを演じた。
邦訳
- 『エアリアル』徳永暢三訳 構造社 1971
- 『自殺志願』田中融二訳 角川書店 1974
- 『シルヴィア・プラス詩集』皆見昭訳 鷹書房 1976
- 『ジョニー・パニックと夢の聖書 シルヴィア・プラス短編集』皆見昭,小塩トシ子訳 弓書房 1980
- 『鏡の中の錯乱 シルヴィア・プラス詩選+シルヴィア・プラスー受難の女性詩人』水田宗子訳・著 静地社 1981
- 『シルヴィア・プラス詩集』徳永暢三編・訳 小沢書店 1993 双書・20世紀の詩人
- 『シルヴィア・プラス詩集』吉原幸子,皆見昭訳 思潮社 1995
- 『おやすみ、おやすみ』長田弘訳 みすず書房 2000 詩人が贈る絵本
- 『湖水を渡って シルヴィア・プラス詩集』高田宣子,小久江晴子訳 思潮社 2001
- 『ベル・ジャー』青柳祐美子訳 河出書房新社 2004
関連書籍邦語
- 皆見昭,渥美育子編『シルヴィア・プラスの世界』南雲堂 1982
- 皆見昭『詩人の素顔 シルヴィア・プラスとテッド・ヒューズ』研究社出版 1987
- アン・スティーブンソン『詩人シルヴィア・プラスの生涯』風呂本惇子訳 晶文社 1994
- ロナルド・ヘイマン『シルヴィア・プラス』徳永暢三,飯野友幸訳 彩樹社 1995
- ジャネット・マルカム『シルヴィア・プラス 沈黙の女』井上章子訳 青土社 1997
- 井上章子『シルヴィア・プラスの愛と死』南雲堂 2004
- 木村慧子『シルヴィア・プラス 父の娘、母の娘』水声社 2005
- 高市順一郎編著『シルヴィア・プラス愛と名声の神話』思潮社 2007
脚注
外部リンク
テンプレート:Sisterテンプレート:Link GA- ↑ 創造性の「暗黒面」 抑鬱や狂気が天才を生み出す? CNN.co.jp 2014年3月17日