レムニスケート
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レムニスケート(テンプレート:Lang-en-short)は極座標の方程式
- <math>r^2 = 2a^2 \cos 2\theta</math>
で表される曲線である。連珠形(れんじゅけい)とも呼ばれる。またヤコブ・ベルヌーイのレムニスケートとも呼ばれる。カッシーニの卵形線の一種と見なすことができる。
直交座標の方程式では
- <math>(x^2 + y^2)^2 - 2a^2(x^2 - y^2) = 0</math>
となる。
x軸、y軸に対して線対称である。原点Oで自らと交わる。原点Oにおける接線はy=x,y=-xとなる。原点Oと<math>\sqrt{2}a,-\sqrt{2}a</math>でx軸と交わる(以下、この二点を「交点」と呼ぶ)。点 (±a, 0) は、レムニスケートの焦点(英:focus, -ci)と呼ばれる。レムニスケート上では、「任意の点と一方の焦点との距離」と「その任意の点ともう一方の焦点との距離」の積は一定である。直角双曲線の接線に、原点から垂線を下ろした点の軌跡はレムニスケートになる。また、中心が直角双曲線上にあり、なおかつ原点を通る円の包絡線はレムニスケートになる。
ループ1つで囲まれる面積は<math>a^2</math>であり、2つ合わせて<math>2a^2</math>となる。曲線の弧長は楕円積分によって表される。
レムニスケートはベルヌーイ兄弟によって最初に発見され、イタリアの数学者ファニャーノによって楕円積分論の事例として詳しく研究された。オイラーはファニャーノの『数学論文集』に刺激を受け、微分方程式論の研究を発展させ、独自の楕円積分論を構築した。