米倉明
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米倉 明(よねくら あきら、1934年10月1日 - )は、日本の法学者。専門は民法。愛知県名古屋市出身。
人物
研究対象は財産法から家族法に至るまで全分野に及んでおり、それぞれで高い評価を受けているが、とりわけ担保法の権威として知られる。また、特別養子制度の創設においては、人道的見地から積極的にこれを支持し、法理論における指導的立場に立った。
また2005年には、穂積八束の有名な論文の題名「民法出デテ忠孝亡ブ」をもじった「法科大学院出デテ研究亡ブ」という言葉[1]で法学教育のあり方に疑義を呈するなど、活発に活動を続けている。 弟子に、道垣内弘人がいる。
略歴
1959年に東京大学法学部卒業後、大蔵省に入省し主税局で勤務する。大蔵省での同期に斎藤次郎、土田正顕らがいる。
その後退官し、加藤一郎を指導教官として学究生活に入る。東京大学法学部助手、北海道大学法学部助教授を経て、1975年には東京大学法学部教授に就任。以後、1995年に定年退官するまでの20年間にわたり東大で教鞭を執った。また、東大での教職と並行して日本私法学会の理事長も務めている。
1995年に東大を定年退官し、同時に名誉教授となる。定年後は早稲田大学法学部教授、早稲田大学法科大学院教授(2004年から、退職時期は不明)、愛知学院大学法科大学院教授(2005年から2011年3月まで)と私立大学で教鞭を執った。
著書
- 『譲渡担保の研究』(有斐閣、1976年)
- 『債権譲渡――禁止特約の第三者効』(学陽書房、1976年)
- 『民法講義 総則(1)私権,自然人,物』(有斐閣、1984年)
- 『所有権留保の研究』(新青出版、1997年)
- 『担保法の研究』(新青出版、1997年)
- 『信託法・成年後見制度の研究』(新青出版、1998年)
- 『特別養子制度の研究』(新青出版、1998年)
- 『家族法の研究』(新青出版、1999年)
- 『民法の教え方』(弘文堂、2001・改訂版200年3)
- 『プレップ民法』(弘文堂、最新版は2005年)(20年以上読まれている法学書のロングセラー)