マゼンタ
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マゼンタ(マジェンタ、magenta)は、色の一つで、明るい赤紫色。ピンクに近い紫、もしくは紅紫色(こうししょく)とも呼ばれる。色の三原色のひとつにもマゼンタがある。
色のマゼンタは、染料の唐紅(とうべに。マゼンタ、フクシン)にちなんでマゼンタと名付けられた。
目次
物体色としてのマゼンタ
印刷技術におけるマゼンタ
マゼンタは色料の三原色のひとつであり、カラー印刷でのインク・トナーに使われる。通常、シアン(cyan)・イエロー(yellow)・ブラック(black)と共に使われるため、CMYKと呼ばれる[1]。
ちなみにCMYK値で表すと「C=0 M=100 Y=0 K=0」となる。
JIS規格におけるマゼンタ
JISでもマゼンタの色が定義されている。しかし、この色はカラー印刷におけるマゼンタとしても使われるレーキレッドCなどよりは紫味の強い色である。
光源色としてのマゼンタ
光の三原色である赤 (#FF0000) と青 (#0000FF) を一対一の割合で混合した色に該当し、RGB値では
( R, G, B ) = ( 255, 0, 255 )
で表される。ウェブカラーでMagentaを指定すると、#FF00FFと同等に扱われる。これは、fuchsiaと指定したものと同じ色である。
マゼンタに関する事項
- 色料の三原色のひとつとしてのマゼンタのことを赤と呼ぶことがある。
- 日本では赤紫色のことを一般にマゼンタと呼ぶことがある。
- 日本では、「マゼンタ」ではなく「マゼンダ」と呼ばれることもある。元綴りからは「マゼンタ」がより近いが、この二つはしばしば混同され、プリンターメーカーのサイトでも後者が混じることがある。[2]
- マゼンタは人にとって、最も不快感を表す色ともされる。テンプレート:要出典
- 一方で、赤紫色は雅やかさを与える色であり、伝統的な文化、芸術において珍重されてきた色でもある。
- 今日では赤紫は高級感を与える色としても認識されている。
- 都営地下鉄大江戸線のラインカラー。
- 新幹線E3系電車(秋田新幹線用)、新幹線E5系電車の帯色。
- 「赤と緑」の組み合わせを「マゼンタと緑」の組み合わせに変更することにより、すべてのタイプの色覚においても分かりやすくなる。[3]
- スーパー戦隊シリーズのピンク戦士は、スーツのカラーとしては発色の良いマゼンタを使用しているものがほとんどである。
- アニメ『Yes!プリキュア5』及び『Yes!プリキュア5GoGo!』の主人公、夢原のぞみの髪の色。キュアドリームに変身すると、変身前より少し明るい色になる。
- Jリーグに所属するプロサッカークラブ「セレッソ大阪」のユニフォームやフラッグのメインカラーとして使用されている色は、発色の良いマゼンタと思われる。
- 『機動戦士ガンダム』の制作の過程で大量にピンクの絵の具が余ってしまい、「赤い彗星」の異名をとった「シャア」のモビルスーツの色として、本来の赤ではなく、ピンクを使用したという逸話がある。上記のとおり、「ピンク戦士」のスーツなどに使用されているのは、そのほとんどがマゼンタであり、シャアのモビルスーツの色として使用した色もマゼンタと思われる。
マゼンタの色料
唐紅 Magenta
唐紅は、1852年にイタリアでナタンソンがアニリンと塩化エチレンを原料に赤色の物質を基として1859年に商品化されたカルボニウム系に属する染料である。アルコール・アセトン・水性溶液に溶解する。現在でも製造されており、レーキ顔料としても使用されている。1859年のマジェンタの戦い (La Battaglia di Magenta) においてイタリア(サルデーニャ王国)とフランスの連合軍がオーストリア=ハンガリー帝国軍に勝利をおさめた。そのため、この戦勝とほぼ同じ時期に発見されたこの染料は、戦勝地マジェンタ(Magenta)にちなんでマゼンタと名づけられた。また、最後の戦勝地にちなんでソルフェリーノ(solferino)とも呼ばれる。当時は第二次イタリア統一戦争の影響下であった。唐紅はフクシアの花の色に因んでフクシンとも言われることがある。異名(いみょう)が大変多い。
近似色
脚注
- ↑ KはKey PlateのKである。blackと混同しないこと。
- ↑ キヤノン:環境への取り組み | 製品での取り組み 製品安全データシート(MSDS) 大判プリンター/グラフィックカラープリンター
- ↑ 色盲の人にもわかるバリアフリープレゼンテーション法:色覚バリアフリーマーク
参考文献
- ホルベイン工業技術部編『絵具材料ハンドブック』中央公論美術出版社 ISBN 4805502878
- 近江源太郎・監修 『色々な色』 光琳社出版 1996年 ISBN 4771302324
- 清野恒介・島森功 『色名事典』 新紀元社、2005年7月。ISBN 4-7753-0384-8。
- 永田泰弘・監修 『新版 色の手帖』 小学館 2002年 ISBN 4095040025
- 福田邦夫・著 『色の名前はどこからきたか』 青娥書房 1999年 ISBN 4790601803
- 福田邦夫・著 『色の名前507』主婦の友社 2006年 ISBN 4072485403
- 藤井健三・監修 『京の色事典330』 平凡社 2004年 ISBN 4582634125