月光蝶
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月光蝶(げっこうちょう)は、アニメ『∀ガンダム』に登場した架空の兵器。月光蝶システムとも呼称される。
概要
月光蝶(システム)の実体は、人工の物質を砂状に分解する機能を持った無数のナノマシンであり、搭載機の背部から大量に放出され、Iフィールドの力場に乗せて散布される。過去に∀ガンダムが使用し地球上の全ての文明を崩壊させた。
名前の由来は機体の背部から大量に放出されるナノマシンが蝶の羽のように見えることから。射出されたナノマシンはプリズムのように光を反射し虹色に輝いて見える(∀ガンダムの場合は主として青色、ターンXは緑色)。
アニメ作中
第44話でジャンダルムを押し戻そうとした時、月光蝶らしきものが初登場しており、同艦のエネルギーを吸収しミサイルを分解吸収している(『ニュータイプ 100% COLLECTION ∀ガンダム VOL.2』角川書店刊より)。またメリーベル・ガジットが∀ガンダムに搭乗した際はコア・ファイター(コクピット)がオリジナルでなかったことから不完全な形で発動したにもかかわらず、地球の地表に甚大な被害を与えている。
最終話では、∀ガンダムとの戦闘中に発動したターンXの月光蝶がコレンのカプルを巻き込み撃墜。その後、全方位に向けて拡散されようとしていたがソレイユとスモー部隊のIフィールドバリアにより拡散が食い止められている(ただしソレイユは全エネルギーを放出し不時着せざるを得なかった)。∀ガンダムとターンXが相打ちとなった後は、両機から発生したナノマシンが繭状になり2機を取込み、その活動を停止させた。
かつて文明を滅ぼした時と比べて比較的被害が小さかったのは、∀の性能が未だ完全に引き出されていないためであるとされるテンプレート:要出典。
その他
- 福井晴敏の小説『月に繭地には果実』では、大量のナノマシンを放出するという点では共通しているが、物質そのものを分解するのではなく、他のナノマシンに干渉しその命令を書き換えてしまうものとなっている。前記の小説世界では、ナノマシン文明を経た地球では大気から土壌にいたる全ての部分にナノマシンが関与していることから、地球の活動そのものに干渉できる兵器として描かれている。
- ゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』に∀ガンダムが参戦した際には、技として月光蝶を使用する事が可能である。シリーズでの初出は『スーパーロボット大戦α外伝』においてであり、この作品でバット将軍に真ゲッターロボのゲッター線融合炉を暴走させられた際に∀ガンダムが月光蝶を自動的に放ち、ゲッター線を無効化した。また『スーパーロボット大戦Z』では、ギム・ギンガナムがアトランディアの生命の樹を枯死させるのにターンXの月光蝶を使い、『第2次スーパーロボット大戦Z再世篇』では、アフリカの軌道エレベーターがメメントモリの攻撃によって崩壊し、無数の破片が降り注いでいた時、ロランが自らの意思で、封印していた∀ガンダムの月光蝶を起動させ、多数の破片を消滅させている。
- ゲーム『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト』で登場するエクストリームガンダム ミスティック・フェイズが月光蝶をベースにした「絶望蝶」を展開している。絶望蝶の展開時の色はターンXの月光蝶がベースになっている模様。