被覆アーク溶接
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被覆アーク溶接(ひふくアークようせつ)とは、溶接の一種。日常的には手棒溶接、手溶接と言うことが多い。
金属の棒(心線)に被覆と呼ばれるフラックスや保護材などを巻いた溶接棒を電極として、 母材との間にアークを発生させ、アーク熱で溶接棒と母材を溶融させる。 このとき、溶接棒のフラックスは高温のアークによって分解され、ガスとなってアークと溶融池を大気から保護する。
比較的簡易な装置で溶接できるため、あらゆる産業分野で広く使用されている。 日本では構造や保守が簡易であることから、主に交流垂下特性電源の溶接機が使用されているが、 直流やインバーター制御、エンジン式・バッテリー式の溶接機もある。
風に強いため、屋外で使う溶接と言えば被覆アーク溶接のことと考えてよい。 水中で使うことの出来る溶接棒や、湿気に強い溶接棒も開発されているが、基本的には溶接棒のフラックスは湿気に弱い。 フラックスが湿気を含むと、以下の不都合が発生しやすくなる。
- アークが不安定になる
- ブローホールが発生しやすくなる
- 溶接金属に水素を含んでしまう。(水素脆性によって割れやすくなる)低水素系は低水素の特性が失われる。
従って、乾燥した貯蔵庫に保管し、使用前に70~100℃で30~60分(低水素系溶接棒は300~400℃で30~60分)乾燥を行ってから使用するのが望ましい。又、低水素系溶接棒は乾燥後直ちに使用しない場合は100~150℃の温度に保たれる保管容器に入れて、適宜取り出して使用するのが望ましい。更に、取り出した後の大気放置時間も制限があり、通常2~4時間である。この制限時間を超えた場合は再乾燥が必要となる。
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